新たな仲間と共に
第71話 再会
「気が付いたかい?」
暫くして先ずセシルが回復、起き上がります。
「ごめん。」
「無理させたからね。もう起きてもいいの?」
「うん。もういい。」
よかった。
そして今、セシルが横になっていた隣には僕の幼馴染で、僕が家を出ていく事になった時、唯一見送ってくれた2人が横たわっています。
2人とも恐らく結構な量の血を失ったので、暫くは起き上がる事も出来ないでしょう。
なのでこの間に食事の用意をする事にしました。
本当はどの階層か調べるべきなのですけど、まだ何が襲ってくるかもわからないこの状況下、まともに動けるのは僕1人なので、様子を見つつ温かい食事を作っていきます。
ある程度作り終わった頃にセシルが、
「デルク、2人の意識が戻った。」
意外と早く気が付いたみたい。
「レイナウト、ロース、久しぶりだね。僕がわかる?」
レイナウトは僕をじっと見つめています。
まだはっきりとした感覚が戻っていないのか、ボーっとしているようです。
僕は温かい飲み物を用意し、レイナウトに飲ませます。
セシルはロースに。
飲み終わった頃、ようやく意識がはっきりしてきたのかレイナウトが、
「あれ?死んだはずのデルクがいる。ああやっぱり死んだのか。デルクすまないな。君を先に死なせてしまい、せめて君を死なせた相手に一矢を報いようと思ったんだけどね、果たせなかったようだ。」
まだ記憶がこんがらがってるのかな?
で、ロースは、
「セシルちゃん?ごめんね、私も死んじゃった。セシルちゃんをダンジョンに突き落とした冒険者に復讐しようと思ったけれど、私達も突き落とされちゃった。」
あれ?セシルはロースと知り合い?
「私達は上級職だったから、よく一緒に講義を受けていた。」
成程、神聖騎士もそうだけど、魔法戦士も精霊使いも上級職。
通常の職種に比べ成長が遅く、その代わり強力な能力が備わっているので、そう言った知識を教えてもらっていたのでしょう。
さて、そろそろ2人共意識がしっかりしてきたようなので、この辺りで僕とセシルは生きているし、2人共助かった事を認識してもらわないと。
「僕はまだ生きているし、セシルも助かった。それとレイナウト、ロース、君達は助かったんだよ。」
「え?本当かい?信じられないな。あ、いやそうじゃなくってデルクを信じないのではなく、あの状況下で僕とロースが死ななかった事を信じられなくってさ。」
「そうよ!で、デルクとセシルちゃん、本物?本当に生きているの?」
「まあまあレイナウト、君達2人に関して何が起こったのかは後々聞かせてもらうよ。それと、僕もセシルもちゃんと生きてるよ。」
「ああよかった。」
「セシルちゃんごめんね、力になれなくて。」
「そんな事はない。地上ではよくしてもらった。」
「はいそこまで!今はまず失った血と体力を回復させないと。話はまた追々聞くよ。」
こうして何とか再会しましたが、今後どうなる事やら。
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