第34話 違和感

 ベリーをある程度採取し、次の階層へと向かいます。

 珍しくヴィーベさんがリニさんを引きずっています。

「ちょっと!!まだ食べられるわよ!」

「もういいだろ!先に行くぜ!」


「デルク助けてえ!」


 ありゃ、引きずられちゃった。

 ごめんなさいリニさん、僕もそろそろ先に進んだ方がいいと思うんですよ。

 僕は然程ベリーに興味がないので、ついていきました。


 そして次の8層に到着。

 リニさんに教えてもらった8層は・・・・確か金鉱・・・・金?


 8層は確かに岩だらけ。

 そこにツルハシを持った人達が、必死になってツルハシで岩を叩いて・・・・でいいのかな?います。

 砕けた岩を見ていますが、あの中にあるの?


「この階層じゃ大した大きさ、重さは見つからねえぞ?」


 ヴィーベさんもその昔、金の採掘をやった事があったみたいですが、大した金が見つからなかったようです。

「もっと下の階層じゃないとね?」


 リニさんはそう言いますけれど、夢を見る人々が一生懸命ツルハシで岩をガシガシと。


 そんな中、なんだか視線を感じます。

 気のせい?

 振り返ってもこちらを見ていそうな人は見つかりません。ですが・・・・

「リニ、どうだ?」

「わからないけれど、見られているわね・・・・」


 どうやらヴィーベさんとリニさんも視線を感じたようです。


「デルク、気をつけろ。誰かしらねえが時々こちらの様子を見ている。」

「僕もなんだか視線が気になったんですよ。で、周りを見ても誰もいないんです。」

「だからこそだ。」


「ちょっと場所かえよっか?」

 リニさんが先頭になって進んでいきます。


 僕はリニさんの後を追いかけたはずなのに・・・・盛大にこけてしまいました。

 いてて・・・・どうやら何かにつまずいたようです。

 後ろにいたヴィーベさんが、


「デルク、何もない所で躓くとか、ある意味才能・・・・」

 何か途中でしゃべりが止まったので、僕は何に躓いたのか見てみると・・・・


 え?こんな石っころに躓いた?まさか?

 こんなのに躓かないよ?

 そして・・・・拾おうとすると・・・・え?持てない?重いんですけど。

「ヴィーベさん、重くて持ち上がりません・・・・」


「ちょっと待て!まさかと思うが・・・・」

 ヴィーベさんが手に取りますが・・・・

「おも!何この重さ?」

 やっぱり重たいようです。

「なあ・・・・これまさかと思うけど・・・・金の塊なんじゃね?」


「ええ?まさか?こんな低階層でこの大きさの塊・・・・聞いた事ないよ?」

「いやデルクだしな・・・・あり得るかも。まあ・・・・ちょっと今はそれどころじゃねえし・・・・これ収納できるか?」

「あ、はい、まだ入ります。」

「じゃあ仕舞っとけ・・・・それとこの階層、もう移動するぞ。」


 先程からなんだか嫌な視線を感じるので、僕はヴィーベさんに従い、移動します。


 そして9層・・・・


 ゴブリンと、コボルト?何やら2体で移動しているようで、2体で襲い掛かってきます。

 ただ・・・・やはり弱いです。

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