第31話 弱いです

 いよいよ僕もお肉を得る為、魔物と戦う事に。

 魔物というか魔獣かな?


 一頭の牛さん?が近くにいたのでそっと近づきますけれど、全くもってこちらを見ようともしません。

 僕は鑑定で魔物の急所を調べた所、心臓と首が弱点と出ました。

 出来るのでしょうか?


 僕はショートソードを手にし、一気に振り下ろします。

 すると、中々太い首だと思ったのですが、呆気なく首が落ちました。

 え?こんな簡単でいいの?


 実際心臓を一刺しで仕留める方法もありますが、僕の力では厳しいのでは?でも簡単に首が・落ちたので、もしかして心臓でもよかった?

 あれ?さっきの鑑定は何だったのでしょうか?あまり意味がないですね。


 そして気が付けば死体は消え、目の前にはお肉が落ちています。


 何故死体がすぐに消えるの?

 僕はヴィーべさんに聞いてみましたが、

「え?何故って・・・・何でだろうな?そんな事疑問に思ってもみなかったぞ?デルクは変わった事を気にするんだな。ダンジョンの魔物が死んだらすぐに消える、常識だからな。」


 そうなのですか?

 そう言えば僕はダンジョンについて殆ど知識が無い事に、今更ながら気が付きました。


 今まで自分が冒険者として、ダンジョンに行く事を考えていなかったからなのですが。

 外で採取や、鍜治場で鍛冶師として従事する事を考えていたので、知識の吸収はそう言った方面に偏っていたせいかもしれません。


 こんな事ならもっと調べておけばよかった。


 まあ、戻ったら詳しく調べてみましょう。


 暫く魔物を仕留めていたのですが、


「ねえ、もういいでしょ?そろそろ行くよ?」


 あまりお肉には関心が無いのか、リニさんは先に行きたがっています。

「何でもう行くんだよ!もうちょっとぐらいいいだろ?」


「何を言ってんのよ!そんなにお肉ばかりあっても仕方ないでしょ?大体ねえ、それ誰が料理するのよ!」

「うぐ・・・・」

 どうやらヴィーベさんは自分でお肉を焼かないようです。察するにリニさんがしてくれているのかな?


「はいはい!じゃあ行くよ!」


 可哀想に言い返す事ができなかったヴィーベさんは、リニさんに半ば引きずられながら4層に向かいました。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 4層、ゴブリンが出ました・・・・が、弱いです。

 動きも遅いですし。

 背後から近づけばまず気が付く事は無いですし、仮に正面から接近しても動きが遅く、よほどの事が無ければこちらは攻撃を受ける事が無さそうです。


 ダンジョン産のゴブリンは魔石だけドロップするようで、あまり人気がありません。

 あ、魔石は魔核とも言われ、魔物には必ずこの核が存在していて、これがある生き物は総じて魔物や魔獣と呼ばれているようです。


 そして、ダンジョン産とは違い、地上のゴブリンは結構なお金になるのですが、ここではあまり素材が手に入らなさそうですからどうなのかな。

 僕はまだ地上のゴブリンに遭遇した事は無いですが、解体スキルが無いと地上の魔物から素材を得るのは厳しそうです。

 それに何故かゴブリンかオークの内臓、それも腸を欲しがる道具屋が一定数存在していて、何に使うのか破格の値段で腸を買い取ってくれるようです。

 何に使うのでしょうね?

 内臓はダンジョンでは手に入りません。

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