第22話 トゥーニスさんが行っている事とは?

「その、あれですよね、飲む打つ買う・・・・もしかしてこれ全部当てはまっているんですか?」


 何だかリニさんの目つきが変わっていきます。

 あの、そのジト目は止めて下さい。なまじ整った顔立ちなので、そのジト目はある意味怖いです。


「なんだデルク、知っているんじゃないのか?」

「歓楽街の事は少しは調べて知っています。飲むのはまあ酒ですよね。打つのは何かギャンブルですよね?何を賭けるのか知りませんが。そして買うは・・・・女の人とイチャイチャする?でいいのかな?」




「まあ大体合っている・・・・と思う。」

「はあ・・・・何でそんな事まで知っているかなあ。」


「まあ、トゥーニスさんはそこを隠れ蓑に、色々人助けを・・・・ってこれ言っちゃあ駄目だっけ?」

「馬鹿ヴィーべ!それ以上喋っちゃあ駄目!」


 そんな事を喋っていると、何だか疲れ切った顔をしたトゥーニスさんがやってきました。

「あ、お帰りなさい!どうでしたか?」


「何とか数人は・・・・今回は相当厳しいな。ただ、聞いた話だと皆ある程度遊び人になってしまった場合にどうすべきか、つまり身の振り方を予め考えてはいたようだ。」


「へえ・・・・普通自分が遊び人になるなんて考える奴はいないから、どうしたんですかねえ?」


 ヴィーべさんがそんな事を言っていますが、何となく察しました。

「デルク、君のおかげだ。君は学び舎でそれとなく何人かに声をかけてくれていただろう?」

「はい、過去の遊び人の扱いがどうも変だったのでそれを調べて、まあ仲間にもそれとなく言った事もありますが、何せ皆普通の職業になると思って・・・・僕もですけれど、ただ万が一このような事態になった場合、予め対処方法を知っておかないと、いざという時に生き残れませんから。」


「そうか、だからだったのか。一応皆こっそりと逃がしたが、教会の連中、今回はなりふり構わずといった感じでな。どうやら大司教がそろそろ引退をするという噂を聞いた。更には枢機卿のうちの1人が、もうあと数年で教会本部で教皇の傍へ栄転と言う噂があってな。大司教になれば、もうすぐ枢機卿になれるやもしれぬのでな。目の前に降ってわいた権力だ、皆色めき立っている様子。困ったものだよ。」


 教会って確か世界中にあって、特定の国だけの勢力ではない、しかも国の干渉を嫌って独自の勢力を持っているとか。

 その権力はこの国でも手出しをするのは厳しいとか。

 そんな教会が何故遊び人をこんなに毛嫌いするのだろう。


 どうやら遊び人になった同年代の子供が、秘密裏に何かされているようで、それをトゥーニスさんが阻止し、または救出しているのかな?



「まあそんな所でな、今暫くデルクはここでじっとしていてほしい。後2週間ほどしたら、色々してもらうかもしれぬ・・・・ダンジョンか、外で素材の採取をしてほしいのだ。何かと入用でな。」


 何を採取するのだろう?

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