第2話 皆が希望の職業になっている中、僕の職業は
「おお!其方は上位職の魔法戦士ではないか!素晴らしい!」
「え?マジ?剣で戦いつつ魔法も使えるの?一つの職業で?」
「ああ、通常なら戦士と魔術師の2つの職業を兼ねる必要があるが、運が良いのう!」
うわ!凄いね!レアな職業かな?
「お?其方は剣士か!」
「戦士じゃねえのかよ。」
「どうせ世の中の武器の半数は剣じゃ!剣を極めるべきじゃないのか?」
「まあそうだよな、どうせ剣しか使わなかったし。」
「おお!シスターか!」
「え?じゃあ私回復魔法が使えるのかしら?」
「それはいいのう!回復魔法の使い手は何処のパーティーも喉から手が出るほど欲しがるからのう!それに儂のジョブも司祭だしの!」
「そう?それは良かったわ!前衛になっちゃったらどうしようかと思ってたから!じゃあ司祭様後で魔法を教えて下さいね!」
回復魔法ですか。羨ましいかぎりです。
精霊使い?後衛職の中でも珍しい職業です。
「精霊様を使役するのかしら?」
「そうだのう。レベルが上がればものすごく強力な精霊を使役できると聞く。しっかり励んでくれたまえ!」
皆なかなかいい職業を選定できています。
誰もセカンドジョブを選ばずに済んでいます。
そして中には、鍛冶屋の息子みたいな、親が職人・なんて子供もいるわけで。
「まあそうなるわな、君は鍛冶師だ!」
「うわ!俺冒険者になりたかったのに!!」
「冒険者の武器を作る人も必要なのだよ、よかったじゃないか!」
鍛冶もいいよね。自分の思い通りの武器を作るんだから。打つというべきでしょうか。
今この場には100名程いますが、皆おおよそ予想通りの職業になっているようです。
中には、
「ちょっと何よこれ!」
「洗濯女?はっはっはっ!頑張ればメイドになれるから、そのままにした方がいいぞ?」
「え?やだ!セカンドジョブを選ぶ!」
「まあ落ち着きなさい。実はな、その職業秘かに当たりなのじゃよ?」
「え?何で?外れじゃないの?」
「しっかりとその職業に励めば、女性にとって極めて大事なスキル”【浄化】を得られるのじゃよ?」
「え?本当?浄化って結構需要あるってお母さんから聞いてるよ?」
「女性たるもの常に身支度には気を使うもの。そんな折、汚れてしまえばの、そんな時浄化は大いに役立つ!」
「やったー!」
冒険者は冒険中は風呂に入れませんから、頑張ればいいスキルが手に入るから、あれはあれでいいよね。僕も頑張って浄化を覚えたいな。
そんな中、ようやく僕の番です。
「お!ついにデルクの番か!お前には期待してるぜ!何せパーティー結成したらお前が司令塔だからな!」
「いやいや僕にリーダーなんか務まらないって!」
「そんな事ないよ?デルクって色んな知識あるしさ?何かあった時にすぐ解決してくれるし!」
「まあどんな職業になるかまだ分かってないからね。」
この時僕の周りにいた幼馴染達。この後パーティーを結成する予定だけど。
皆デルクがどのような職業になるのか、実はあまり分っていなかった。
何せ色んな事を器用にこなす彼の事だ。やれ剣士だやれ魔術師だ、いずれは賢者になれるんじゃね?なんていう無責任な輩もいる。
「いやあいつなら賢者になれるぜ!」
「いえいえ聖騎士よきっと!」
そんな訳があるわけないよ?そう思ってたんですけど。それに聖騎士って、神聖騎士の事では?とか突っ込みたいけど今は目の前の事に集中!
「次デルク!」
「は、はい!」
「君は確か、今期の期待の星じゃないか!是非聖職者になりたまえ!」
そう都合良く行く訳がないですよ。それに、聖職者向けの職業なんて無理でしょ?
そして僕は選定版に手を触れます。
皆が期待している中、そこに表示があった職業は、
【遊び人】
だった。
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