第40話

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護摩炊きの炎が一気に燃え盛る。そしてアチャが登場する。のがいつもの流れだが今日はまだ出てこない。


「あれ、やっぱり新勝寺じゃないとダメなのかな。」


と思った矢先、パリッパリッという音を響かせながら沢山の火の粉が舞い、炎が一気に縦に伸びるとその中から少し焦った様にアチャが登場した。


「良く来た…が、なぜここなのだ。私が気づかなかったらどうしていたのだ。」


アチャはいつも通り康平へ剣を伸ばす。


「え?普通に護摩炊き見て帰ってた。」


「お前の言葉遣いは馴れ馴れしい。口を慎め。」


「何で?アチャさんって私より偉いの?」


「…偉いわけではないが、こう、礼儀というものがあるだろう。」


「そんな堅苦しい喋り方してないで、もっと楽にすれば?」


「うるさい!これが私だ!」


アチャが怒って左手に持ってる縄をこっちに飛ばしてきた!あみはとっさに身構えたが…隣に座っているぷりとがグルグル巻きにされている!


「ちょっと!ぷりとに何すんのよ!!」


「この子は不動の力を宿す器を持っている。前に多くの修行をして来た様だな。私の力を役立てろ。そして照勤には迷いを捨てろと伝えておけ。迷いがある限り私の力をいくら与えても、失い続けていくだろう。」

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護摩炊きが終わった後は、いつも通りの展開が始まる。


「アチャさん何か言ってた?」


「いつものあれだよ、迷いを捨てろだって。」


「迷いか…。俺って何に迷ってるのかな、何がダメなんだろう…。」


「まあ、そう焦ること無いって!それでさ、なんと!ぷりともアチャパワー貰えたんだよ!」


アチャパワー。あみちゃんは本当に色々な言葉を生み出す天才だな…。


「ぷり君すごいじゃん!!」


ぷりとは不思議そうにあみを見上げている。


「アミちゃん、アチャパワーってなーに??」


「アチャパワーっていうのはね、お化けと戦える力なんだよ!すごいよぷりとぉぉっ!きっと前世がお坊さんだったんだよ!」


ぷり君は良くわかっていないみたいだけど、あみちゃんに抱き着かれながら、沢山褒められて嬉しそうにしている。何か和むな…。


「あみちゃん、前世がお坊さんだとその、仏の力とかを貰うことが出来るってこと?」


俺のその言葉を聞いて、太鼓の音にびっくりした人並みにビクーッとしてしまった…。変なこと聞いちゃったかな。


「いや、それはね、えーと…私が勝手に思っちゃっただけ!気にしないで!」


確実に動揺してるでしょその反応…。俺には言っちゃいけないこともあるのかな。まあいいや、突っ込まないでそっとしておこう。


俺たちはお寺を一通り拝観し、御朱印を貰う。2つ目の御朱印ゲット!まだまっ白な御朱印帳だけど、あみちゃんと一緒に色々なお寺に行って、沢山増やせたらいいな。


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そんな4人の姿を少し遠くから見守っている一人のお婆さんがいた。


「ひょうちゃん…少したくましくなってる。」


そう呟くと、着物の裾からハンカチを取り出し涙を拭いた。あみに気づかれない様、静かに立ち去る。


「お婆さん!!良かった、元気だったんだ!!」


あみの幽体が一瞬で飛んできて、お婆さんの肩を掴んだ。

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