第13話

後日お父さんにお供えするお花を購入し、僕らはお化けのお坊さんに会いに墓地へ向かった。


「ちなみにさ、この前お坊さんと喋ってないのにどうやって会話してたの?」


「んー、なんて言ったらいいのかな。喋らないで心で直接交信する感じ?」


そんなことも出来るのか。本当にあみちゃんって何か凄いんだな。


坂道を上がるとお寺が見えてきた。この奥に墓地がある。そして門を潜り抜けた時


「あいつら門から先に入ってこない!」


昨日別れてからもずっとあみちゃんのことを付けて来ているみたい。やはりブレスレットの効果があったらしく、だいたい4mぐらい距離を開けているとのこと。あと家の中にも入って来ないらしい。


「まじで!うけるんですけど!めっちゃ悔しがってんじゃない?。」


「うん、でかい人凄い怒ってる。戻ってこいって。後が怖そう…。多分お寺に結界が張られてるんだと思う。何か白い糸が門に張ってある。これに触れないんだ。」


平和教の2人を置いてきぼりに俺たちは墓地に到着した。お父さんの墓石を洗い、お花を供えする。


「あみちゃんのお父さんのお化けはここに居ないの?」


「そうなんだよね。何年か前からずっと姿を現していなくて。ほっくんが赤ちゃんの時は良くうちに遊びに来ていたけど。どこ行っちゃったんだろう。あっ、お坊さん来た。」


またあみちゃんはお坊さんと話し始めた。どんなことを話しているんだろう。


「助けてあげたいけど、墓地を離れることが出来ないから難しいって。仏様のお力を借りるのはどうかって。」


「仏様って神様ってこと?神様って本当に居るの?」


「私お寺で何回か見たことあるよ。お寺の仏像の中に入ってる感じ。金色の後光が差しててさ、眩しいからいつも近づかないけど。ん?守護観音?何それ。」


守護観音というものをお坊さんが教えてくれた。さっそくスマートホンで検索してみる。仏様というのは神様とは違くて仏教で崇められている仏教の神様的存在らしい。仏様は物凄く沢山の種類の人がいるみたいなんだけど、人は干支によって守護してくれる仏様が決まっているらしい。ちなみに俺らは酉年。


「酉年の人の守護観音は、んーとね、これだ。不動明王!」


他の仏様は綺麗な感じの人たちなんだけど、この不動明王って人だけおかしい!仏様なのに鬼みたいだ。真っ黒な肌で物凄い怒ってる表情。剣を持って背中が燃えている。


「なーんで俺らの守護観音だけこの人なんだよー!」


「でもさ、剣持ってるし強そうじゃん?」


不動明王に頼めばあいつらをやっつけてくれるよね?人を守ってくれる神様なんだよね。そんなことを考えながら俺らは帰路についた。

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