阿修羅様
バブみ道日丿宮組
お題:阿修羅武器 制限時間:15分
阿修羅様
『武器を手に取れば、なんでもできる』
そんな噂がこの街に流れてきたのは、新任の教師がきたのが始まりだった。
「お前たち、阿修羅様になりたくはないか?」
笑みをこぼしながら教師はいう。
「この街には伝説の武器がある。それらは6個あり、それぞれが独立してる」
歴史の先生だから知ってることもあるんだろうが、街にきたのは2週間前。どうやってこの街の噂を知り得たのか。あるいはこの人が発生させたのか。胡散臭さがする。
「友だちと喧嘩したりするだろう? それは全て阿修羅様の力のおかげなんだ」
クラス内がざわつく。
何を言ってるんだろうかと、面白い話だとか、まじめに授業してほしいとか、いろんな声が混じる。
「レポートを書いてもらうことにする。内容は阿修羅様の武器についてだ。もちろん、現物を持ってきてもいいぞ。もしそんなやつがいたら、歴史の評価は5にして、試験結果を100点にする」
破格の対応だった。
ありもしないものを持ってこいとはほんと何なのだろうか。
「では、本日の授業を開始する」
そうして普通の授業が始まった。
授業内容は面白い。
たまにクイズ形式で問題を出したり、歴史の噂話を混じえたり。変わる変わる話の展開に飽きはこない。
成績があがるからという理由からじゃないが、阿修羅について調べることにした。
阿修羅とは仏教の守護神であり、戦いの神様でもある。
そんな神様の武器というのであれば、とてもいかついものだろうと思ってたのだが、
「……」
でてくるのはフォークやら、ナイフといった食事に使うもので、武器という武器は調べても出てこなかった。これは友だちのデータと参照しても同じで、それっぽいのはない。
所詮噂ごとなのだろうと、レポートをまとめることにした。
過大評価、認識能力の低下。
そういった罵倒に近い言葉をまとめた。
このときのわたしはそんなふうに思ってた。
まさかクラス内で武器をめぐる戦いに勃発するとは誰も思いもしなかったに違いない。
いや、教師だけは知ってたのかもしれない。
阿修羅様の武器について調べたものは、呪われる、と。
阿修羅様 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます