肝試し
バブみ道日丿宮組
お題:夜の夕方 制限時間:15分
肝試し
「いわゆる怪奇的現象というやつなのかなこれは?」
少年グループのリーダー格が学校の廊下から夜空を見つめる。
「夜だと思ったのに赤の夕焼けなんてタイムスリップしたみたいだ」
「それってただの夕焼けでしょ。夜なんかじゃない」
少年と少女が言葉を続ける。
「え、でも学校来る前は真っ暗だったろ。肝試しやるっていってきてたんだし」
「それはそうだけどさ、夕方なのに夜ってのは変でしょ?」
あれでもないこうでもないと少年たちは言葉を作り続ける。
「……集団催眠」
「その可能性はないとはいえない」
リーダー格の服を掴みながら、幼女は分析する。
「……きさらず駅みたいなものかも」
「その場合帰れないってことになるね」
「……調査する?」
「それが一番いいだろうな。おい、お前ら仲良くするのは終了だ。学校内を探索する」
誰が仲良しだと少年少女は叫ぶ。
お似合いじゃんと幼女はぽつりと言葉をこぼした。
「外にはでないのか?」
「グランドの方を見てみろ」
なんだあれと少年が叫ぶ。
校庭には黒い影がたくさん歩いてた。
「あれがなんなのかわからない状態で外に出たくはないだろ? もしかしたら、異世界転生してるかもしれないし」
「ないない。そんなのはライトノベルだけの特権で現実は起こらない。だからフィクションっていうんだよ」
リーダー格を罵倒するように少女は肩を叩く。
「……いこ」
ぽてぽてと幼女が廊下を進み始めたので、慌てて3人は後を追う。
「相変わらず自己中心主義だな、お前は」
「……別に合わせる必要ない」
「そうだけど、こういうのは孤立したやつがやばいんだよ」
偉そうに少年がニヤける。
「……正体がわかったかも」
とある教室の入り口に幼女は入ってく。
「一体……ってなんだこれ?」
そこにあったのは、机の上にたくさん黒いフード。外を歩く影のような物体があった。
「あいつらがこれだとしてさ、外が夜じゃないのは説明つかなくない?」
「……そういう夜があるって聞いたことがある」
「なんにしても帰れるんなら帰ろうぜ。もう十分肝試しレベルのものは楽しめただろ」
「そうだな。そうするか」
皆一同同意見を発する。
そうして下駄箱に戻り、靴を履いて校庭へと向かうと、影が人間であることを発見する。
「ちょっと聞いてくる!」
少女がそういうと、影に走ってく。
数分後、少女が戻ってくると、
「UFO呼ぶためにやってるんだって。で、今日は夜が真っ赤な夕焼けになるって日だったらしい」
拙い言葉で理由を示す。
「なんだよ。偶然の偶然か」
「そういうこともあるだろう。じゃぁ解散」
「……今日は家寄ってく」
幼女はリーダー格の服を掴む。
「ラブラブなこったな」
「お前らも似たようなものだから」
じゃあなと、背を向けてあるき出した二人はやがて手を掴み、並んでった。
「俺たちはどうする?」
「……じゃぁつないでみよっか?」
お互い赤面した少年少女は数秒の無言のち、どちらかでもなく手を掴んでいたのであった。
肝試し バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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