薔薇

バブみ道日丿宮組

お題:2つの薔薇 制限時間:15分

薔薇

「最近あの子達いつも一緒にいるよね」

「あれ? もしかして知らないの?」


「何が?」

「あの二人付き合ってるんだよぅ」


「へぇ……そうなんだ。あたしたちみたいなものかな?」

「どうだろう。負けてないとは思うけど」


「勝ち負けの問題? でも、苦労はすると思うなぁ」

「女の子同士だから?」


「うーん、それもあるかな。問題は相手だよ」

「相手? そんな危ない子なの?」


「一言であらわすなら、薔薇みたいな子かなぁ」

「抽象的だね? トゲトゲしてるってこと?」


「そう。そうなんだよね。いつも一人でいて、誰とも話そうとしないの」

「そんな子がよく付き合おうと思ったものだね」


「彼女も浮いてた存在だったからね」

「浮いてるんだ」


「そうだよ、浮いてるんだ」

「へぇ、あなたと一緒だね」


「あたしはそんなんじゃないよ。ただ反応するのが面倒くさいだけだからね」

「そういうのをクールっていうんだよ。我が道を行くってね?」


「ふーん。じゃぁその我が道に薔薇がくっついた感じ?」

「そう。どちらかといえば、薔薇に薔薇かもしれない」


「なんかそれくっつかない気がするんだけどさ」

「ほら、女性のことを薔薇と例えるのがあるでしょ? そういうのだよ」


「だったら、あたしたちも薔薇と薔薇になるんじゃない?」

「ならないかなぁ。あなたはいつも受け身で、わたしにされるがままだから」


「そ、それはそういう勉強してないだけだから!」

「もう何度もしたよね? 勉強は十分じゃないかな。わたしの知らないところ、見えないところは全部見ちゃったよね?」


「見ちゃったというか、見せられたというか、被せられたというか……」

「ふふ、可愛い。いつまでもそのままのあなたでいてね」


「なんか……バカにされてる感じがする」

「そうじゃないよ。愛してるんだ」


「恥ずかしいこと言わないで」

「手つなごうか。あの子達みたいに」


「え、えっうん……いいよ」

「暖かいね」

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薔薇 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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