暑い日
バブみ道日丿宮組
お題:ワイルドな哀れみ 制限時間:15分
暑い日
「そんな目で見ないでよ」
わかってる。こういうことをやるタイプじゃないのっては。
それでも、誰かが始めないとこれは動かない。
誰だって最初ははじめてなんだ。そのはじめてを私が開拓する。
「下着だって、ちゃんとした衣服だわ!」
制服を脱いで、下着姿になった私は堂々としてた。制服はしわにならないようにきちんと畳んだ上でね。
下着姿といっても、その中身が見られるわけじゃない。
むしろ下着のセンスが求められるかもしれない。
今日は赤のリボンがついたストライプ。そんなに目立つガラじゃないけど、窓から差し込んだ日光でより一層赤が強調される。
ざわざわという声が聞こえた後……。
わたしも、わたしも、ぼくもと次々に女学生が下着姿へと変貌してく。
それは1つのカオスにも見える。
教室にいる全生徒が下着姿という異様な光景。
これはなにもおかしないことじゃない。
ーー生存本能。
エアコンが壊れた教室で生き残るための手段。
ここには女子しかいないので、何も問題はない。
教師の中に男性はいるが、今日は担当に入ってない。警戒はしないといけいないし、廊下に出るときはさすがにきたほうがいいだろうけどね。
「……これでも暑いのね」
薄着になったといえど、夏の暑さは変わることがない。
いっそのこと、全裸になってしまえばいいのだろうか?
いえ……それは品格を今以上に問われる自体に陥ってしまうだろう。
みんなわりきって下着姿になったからか、下敷きで自分を扇いだりとひと目を気にしなくなってた。
私はと言えば、まだ恥ずかしさが残ってた。
哀れみのような視線を最初に浴びたことも影響してるかもしれない。
だからといって、制服を着るようなことはできない。
先導者が崩れては、元も子もない。
業者が来るという4時間目。
私たちはそれまでこうやって耐えるしかない。
教師に露出狂と罵られようと、倒れるよりはマシだ。
暑い日 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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