野球拳の日

バブみ道日丿宮組

お題:ぐふふ、野球 制限時間:15分

野球拳の日

「野球拳って知ってる?」

「脱衣するやつだろ? わりと有名じゃないか?」

「そうなんだよねぇ。宴会だと昔はやってたみたい。今じゃAVの企画になっちゃってるかな」

「AVなんてみるのか? 意外だな」

「知識は多いほうがいいでしょう? あなたのためでもあるんだからいいじゃない」

「それはそうだが、余計な知識がないのもまた味があるはずだが」

「最初の頃はそうだったけど、だんだん変わってくものだから」

「それで野球拳は何の意味があって聞いたんだ」

「うーん、野球っていうのにランナー走らないし、ただのジャンケンだし、なんで野球って名前がついてるんだろうってさ」

「あれは確か昔団体競技としてあったと聞いたな。それと脱衣するのは正式なものではない。野球の雰囲気を持ったただのジャンケンのゲームだ」

「よく知ってるね」

「お前が知識を得るように俺だって知識を得ることだってある」

「ふーん、そういうのしたいんだ? ……えっち」

「好意を持った二人がやる必要はないんじゃないか? 今更脱衣し合ったところで何を得られるというんだ」

「うーん、楽しさ? とかかなぁ」

「今どきそういうのでときめくような奴はいないと思うが」

「そうかもね。あなたってすぐ服脱がして胸舐めてくるものね」

「母性本能に従ったまでだ。それくらい君の胸は素晴らしい」

「そう? ありがとう?」

「それと釘を刺しておくが、部下とそういう遊びはやめておけ」

「なに? 嫉妬しちゃう?」

「恋人として当然の権利であろう。他人に素肌を見せるな」

「ふふ。そっか、そうだよね」

「なんだ。いきなり笑って。気持ち悪いぞ」

「いいじゃない。それが平和ってことなんだから」

「そうだな。ようやくここまできた。二人で見る頂点はもうすぐだ」

「最初は二人だけだったのに、今じゃ大企業だものね。驚くよ」

「つまらない人生じゃなかったろう?」

「うん、この数年間楽しい事しかなかった。これが……もうすぐ終わっちゃうんだね」

「終わりでもあり、始まりでもある」

「まだ先があるんだ」

「ゴール地点を届かないようにするのは基本だろう?」

「どこに設定してるのかはわからないけれど、私はどこまでもついてくよ」

「助かる」


「それで……野球拳してみない?」

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