同棲まで
バブみ道日丿宮組
お題:情熱的な昼食 制限時間:15分
同棲まで
「いつもそれ食べてるけど、美味しいの?」
彼女のお皿に盛られてる料理は真っ赤だ。
「辛くて美味しいよ?」
疑問に満ちた表情が返された。
「そんな真っ赤になる料理なんて身体に悪そうじゃない?」
「そうでもないよ。新陳代謝アップしてるし、ダイエットにもなってる」
それはお腹が殺されてるだけじゃないのだろうか。それに彼女は太ってない。どっちかというと俺のほうが太ってる。半分ぐらいは筋肉だと思う。筋トレしてるしね?
「食べる?」
「いや……」
あーんと彼女がスプーンをこちらに向けてくる。
これが甘いものであるならば、喜んで口にしただろう。辛いものは苦手だ。
「そっちこそ、いつもジャンクフードだよね」
「そうだな」
今口にしてるのはハンバーガーのダブルミート、ダブルチーズというトッピングだ。肉汁たっぷりでとても美味しい。
「身体に悪いよ。たまに和食とかにしないと」
「大学の近くにそういうのがあればいいんだけど、チェーン店ばかりだからね」
ちなみに彼女が食べてる料理もチェーン店のもの。
「美味しいし、炭酸も進む」
「だから、こんなにぶよぶよになっちゃうんだよ」
肉をつままれた。
つまり、つままれるほど、脂肪があるということ。
「ちゃんと筋トレもエアロバイクもしてんだけどな」
「食べるカロリーを計算しないとダメだよ。今度から私が作ってこようか? というか、そろそろ同棲しない?」
何度か出た話題だ。
「そうしたいのは山々だけどさ、親がきたりするし……」
はぁというため息が耳はいる。
「どんだけマザコンなの。彼女優先でもよくない?」
ジト目が鋭い。
「お金出してるのは親だからね……どうしてもそうなってしまうよ」
「ふーん」
再び食をはじめた彼女はとても不機嫌そう。
この話題が出るといつもこうなる。わかってるからこそ話題にしたくなかったんだけど、これもいい機会かもしれない。
「じゃぁ、試しに暮らしてみる?」
「ほ、ほんと!?」
テーブルを叩くと、彼女が立ち上がって、周りの視線を浴びて着席した。
「その言葉信じるからね。今日講義終わったらいくから」
「あぁ」
こうして、俺は同棲生活を開始するのであった。
同棲まで バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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