9.它〈ヘビ〉

光、

季節のうつろい

部屋の底で出会う木漏れ日

古い夏を捨てきれずに

生暖かい血管にしがみついたぼくたちのこころを

まさに泡立てるばかりの光だ

驚きの眼差し

ぼくの皮膚はそれを吸収し

冬を春へ渡るための支度を始め

きらきらした尾を形成してゆくのだ


簡単に変わる人の心

すぐに変われないぼく

卵の中か

壁を降りてくる日差しを

官能は知らぬ振りだ

子供のような決意で

この呪縛を撃ち抜け

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