夢想

fu

男と、女。




「大地震でも起って、世界がひっくりかえればいいのに」





「また、そんな事を云っているのかい」





Lupinで会話が広がっていた。





男と、女。





仲睦まじそうに話す二人。





「君には私が居るじゃアないか」





「太宰は信用出来ん。何時消えるかも分からない御前など…」





陰る表情。声は小さくなっていった。





「おや、そんな事云って~、昨晩だって、あーんなに可愛く啼いていただろう?」





女は赤面した。





「ッ!ふざけた事を抜かすなよ、太宰!私は断じて、だ、嗚呼!もういい!私は帰る!」





そういう女に、太宰は溜息を着いた。





「はあぁあぁぁぁあぁああ、折角奢ってあげようかと思ったのに」





出入り口の扉に手を掛けていた女は、ピクリと動かなくなった。





そして振り向く事もせず、小さく云った。





「…云ったなァ?」





「自 殺主義者に二言は無いよ?」





「良いだろう。先刻の事は許そう。」





何を飲むか、と太宰は問うた。





「そうだな、太宰の奢りなら大量に注文しておくか?」





「程々にね」





太宰は苦笑した。





太宰はエルディアブロ,女はブラック・ベルベット,バイオレットフィズ。





「うふふ、じゃあ、夜明けまで」










乾杯

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