百姓精神

カイチョウナナホシ

『百姓精神』

 日本にはかつて武士がいて、今の自分たちはその血を引き継いでいるんだぞと、昔じいちゃんに言われたことがある。たしか小学三年生ぐらいの時だったかな?あのときはまだ目がキラキラしてたかもしれない。


 現在の私はどうかというと、ごく普通の高校生だ。みんなと同じ制服を着て、同じ時間割で動いて、同じように進学する。そんな普通の高校生なんだ。

 

 今は夏休み明けに控える文化祭に向けて、出し物のアイデアをクラスで話し合っている。……しかし、話し合いから十分経つが誰も意見を口にしない。みんな周りの顔を伺って、ばつが悪そうな顔をしている。


 こんなとき、私の頭に浮かぶ言葉がひとつ。


「百姓精神」

 

 私たちの心にあるのは右に倣えの精神だ。

 

 滑車があれど、川がなければ回れない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

百姓精神 カイチョウナナホシ @b1906936

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ