第19話⁂謎の母の正体!⁂
あの晩、秘密兵器製造工場に性能や完成度の視察の為に向かっていた久美子の側近達の姿は全くと言って良いほどこの邸宅には有りません。
警備も若干手薄になっています。
この本丸御殿から何百キロも離れた基地の施設に視察を兼ねた重要会議に向かう為に常駐の側近達は皆出払っているのです。
そんな時に事件は起きたのです。
「ああああ~!あなたは誰?………タ タ 助けて————!誰か————!」
「ウフフフ ウフフお前のような口うるさい女はこの国には必要ない!」
「ナ ナ 何をするのです。オオオお前は——!よくも裏切りやがって——!……キャッキャ————!」
「ウフフ~!この女を殺せ————!」
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2010年現在キム・スホ27歳は高級住宅地が連なる漢南洞(ハンナムドン)のマンションで、母親と名乗る謎の女性、輸入雑貨商社を経営しているヤリ手女社長と暮らしていますが?
実は全くの赤の他人なのです。
謎の女社長キム・ロア、出自などは謎ですが、かなりのヤリ手女社長なのです。
もう直ぐ58歳のこのロア、実は輸入雑貨販売を行っていた、あの男「岩田」リ・ドハと旧知の中で同年代の60歳のドハとは男女関係にあった仲なのです。
ク-ルで、渋みを増したイケメンドハにぞっこんだったこのロアのお陰で、全くのド素人ながら商売は繫盛していたのです。
そして標的にされた幸子は、この男ドハによって人生を狂わされたのです
女を手玉に取るペテン師にしてジゴロ。女性を喜ばせ自由自在に操る恐ろしい男。
その男に狂った挙句の果てに身包み剝がされて殺害されてしまった幸子にしてスホの事実上の母親詩織。
詩織とすみれ、百合の3人を殺害したのは一体誰なのか?
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スホは父親の岸田雄介から芸能界入りを猛反対されていました。
まだ駆け出しの頃はお金が無くて苦労したものです。
エンターテインメント・キングの養成所時代には演技指導を徹底的に叩き込まれますが、その演技指導費用も相当なもので、月々30万円ほど掛かります。
金持ちの父親雄介は頑としてお金を融通してくれません。
当たり前です。
お金に困りイソイソと戻って来てくれる事を切に願っているのです。
何といっても跡継ぎとして『キシマル』を継いで欲しいばかりなのです。
そこにファンを装い近づいて来たのが母親以上も年の離れたロアなのです。
スホが18歳の時からのスポンサーなので、かれこれ10年ぐらいの付き合いなのです。
「スホ行かないでおくれ!あれだけお前には人脈もお金も使った!今更私を捨てると言うのかい?私が知らないとでも思っているのかい?あんなジアンとか言う娘のどこがそんなに良いんだい?只の財閥のお嬢様と言うだけじゃないか?お願いだ別れておくれ~!もし別れてくれさえすれば私の遺産は全てスホに残す、遺言書に書いて置く!だから別れておくれ!お願い!さもないとあのジアンて娘に私たちの事をバラすから…………ああああああ~!お願い!抱いておくれ!」
2人は今でも肉体関係が続いています。
スホは愛するジアンが居ながら、こんな高齢の女性との関係に何とか逃げ出さなくてはともがき苦しんでいます。
「アアアア~!あの時は人脈を作る為に、何が何でも上り詰めたかった俺は、芸能界とも裏社会とも太いパイプのある、この大金持ちの女性を何としても者にしなくてはと必死だった。ああああ~!バカだ、どうしたら良いんだ?何としても縁を切らなくては?もしジアンにこんな事がバレたらもう完全にジアンは俺から離れるに決まっている!ああああ~!どうしたら良いんだ?」
一昔前は芸能界はやくざとは切っても切れない関係だったのです。
それは今でも・・・???
スホは困り果てて居ます。
もしジアンにこの関係が知れたら???
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