第17話⁂母親久美子殺害?⁂
満正に世継ぎの正優も誕生して益々盤石な態勢になった満正政権。
母親の久美子は星日亡き後は一人で住むには広すぎるこの本丸御殿を出て、この広い敷地内の別邸に今は、あの護衛で愛人の朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長木村の他ごく身近な側近達と住んでいます。
豪華な本丸御殿には満正と妻ジウ更には生まれたばかりの正優3人と侍従達に護衛の数は相当なもので数百人にも及びます。
易々とは侵入できません。それだけ盤石な厳戒態勢が引かれているのです。
「満正、最近は同じ敷地内に住んでいながら、とんとご無沙汰ですね~?でも嫁のジウはよく正優を見せに顔を出してくれていますよ。本当に良い嫁で私は幸せ者!お前もチョクチョク顔を出しておくれ!」
「お母上様すみません。忙しくて中々顔を出す事が出来なくて」
そんな折、久美子が寝込みを襲われ帰らぬ人に???
あれだけ厳重な厳戒態勢が敷かれていたにも拘らず一体誰が???
国民には久美子の死は伏せてあります。
それは死体に不審な点が多々あるからなのです。
本当に久美子は殺害されたのか???
もし違っていたなら、この死体は一体誰なのか???
外見は全くと言って良いほど久美子そのもの?
満正は愛する母親久美子を殺害した犯人を到底許す事が出来ません。
秘密裏に徹底的に調べ上げています。
犯人はやはりハユン妃一派の仕業なのか?
ハユン妃にして見ましても幾ら王子を産めなかったからと言って、たかが側室如きにに大きな顔をされる等以ての外。
ましてや久美子のせいで辺境の地に追いやられ不遇な時代を送っていたのです。
木村とはプッツリ連絡も途絶えて、側室ごときの久美子に木村を奪われ、人生の一番輝いている時代を棒に振った苦い過去が有ります。
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満正が捕らわれの身となった2年前に遡ります。
あの日御付きの者5~6人を引き連れて趣味の鹿や猪狩りに出掛けた満正ですが、銃撃にあい満正だけが現在は嫁となったジウ宅に保護されたのです。
あの日は星日亡き後、態勢が代わってまだ幾ばくも経たない中。
{側室久美子如きに、この国を好きなようにさせられて堪るものか!}
影ではあちらこちらで陰謀の渦が巻き起こっています。
まだ盤石とはいかない新態勢の最中、御付きの選りすぐりの精鋭達を引き連れ万全の態勢で出掛けたにも拘らず、何者かに命を狙われたのです。
大勢の暗殺者達に狙われて命辛々逃げ帰って来た御付きの中の一人から「あれは確か叔父の直属の部下による差し金では?」
との情報を得た久美子は早速調べさせたのです。
そこでハユン妃と伯父が結託して満正態勢崩壊を目論んでいるとの情報を得たのです。
満正の安否確認、更には度重なる満正の解放を要求したにも拘らず、なしのつぶて。
この国の最高指導者、金満正誘拐の総指揮を執ったのが娘婿キム・ハジュンだと耳にした久美子は反逆罪でハユン妃の娘スアの婿最高幹部のキム・ハジュンを秘密裏に暗殺させたのです。
「この国の最高指導者を誘拐する等以ての外。最高指導者に反旗を翻すものは容赦しない!」
見せしめに殺させたのです。
ハユン妃と嫁のスアの怒りは相当なものであの娘婿殺害は久美子の差し金と分った事で、久美子殺害の火種となったのです。
実は満正誘拐事件の裏には、星日とある側室との間に授かった王子を次期最高指導者にと目論む輩の仕業では???
との噂もチラホラ耳に入って来るのです。
この王子を最高指導者にと目論む一派が満正誘拐の火種となったのか???
この王子は、ごくごく一般家庭出身の北朝鮮美女軍団の一人で、数ある側室の中においても、さして目立つ存在では無かったリアと言う女性と星日の間に誕生した王子なのです。
まだ満正より5つも若い、そのジフ王子には光が当たりませんでしたが?非常に成績優秀な逸材なのです。
その王子ジフを王様にと狙いを定めている一派が有ります。
星日の姉の旦那さんで北朝鮮高官のトップで、この国の人脈、実力№1と目されている人物なのです。
高官達の狙いは、今は亡き最高指導者の世継ぎを自由自在に操り支配して財力、権力を我が物に!
世襲制のこの国の象徴、シンボル。
まだ何も分からない世間知らずな若造を操る事など造作もない事。
満正を誘拐したのはハユン妃と伯父一派なのか?
それとも北朝鮮高官のトップで、この国の人脈、実力№1と目されている星日の姉婿パク・ドユン一派なのか?
更には、愛する母親久美子を殺害したのもやはりハユン妃と伯父一派の仕業なのか?
それとも北朝鮮高官のトップで、この国の人脈、実力№1と目されている星日の姉婿パク・ドユン一派が目障りな久美子を亡き者にしたのか?
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