私が転生した異世界は、私の知ってる異世界じゃあない!
John B. Rabitan
一、南さんのスマホメッセージ~Smartphone-mesaĝo de Minami ~
――人間はみんなうそつき
「え?」
私の携帯にそんなメッセージ送ってきたのは、南朱美って子……同じクラスの子だけどそんな親しくないし、ID交換した覚えもない。なんで私のID知ってるの?
――誰も偽善ぶって生きてる。けど、うそついてない人なんて一人もいない。うその中で生きている人ばっかり。そのうそがうそと感じられないほど、みんな自分にもうそをついてる。
なに言ってるのこの子? なんかキモい。この子、病んでる?
言ってることわかんなくはないけど、なんで私なんかにいきなり言うかなあ?
学校でもろくに話をしたこともないのに……。
そう、いつもぼっちでいるような暗い感じの子、いわゆる陰キャってやつ。
学校から帰る前に携帯の電源切れて、充電始めたらご飯だって呼ばれて、部屋に戻ったらこんなメッセージ入ってた。
――私正直に生きてきたつもり。でも、その私自身が一番の大うそつきだった。そのことに今、やっと気づいた。
――うそつき、卑怯、人を信じて裏切られ、裏切り、無視、出会い、恋、幼さ、学校、夢、何もかもが中途はんぱ
――大うそつき、流されて、あー、私、ヤダヤダ。
――そんな罪を背負った私は、罰を受けなければね。
何回かに分けて送信されてるメッセージだけど、重いんだよなあ、内容が。
誤爆してるのかもしれないし、スルーでいこうかなって思ったけど……
――エリカがいっしょにいてくれます
最後の一行が目に止まる。
エリカって絵梨香? 絵梨香なら結構仲いい友達だけど…… でも、今日学校休んでたっけ? 帰ったらメッセしてみようと思ってたんだ。
あ、そういえばこの南さんって子も休んでたような……。
もしかして私のID、この子に教えたのは絵梨香?
たしかに南さんって、絵梨香とだけは時々話してる。
この最後のひとことがなかったらスルーしてたと思うけど、とりあえず返信してみようと送信欄をタップする。
でも、すぐには指が動かない。
……「何ですか、いきなり?」……ああ、なんだか責めてるみたいでよくない……
「何かあったんですか?」……いくら話したことないからって、同じクラスの子に敬語はへんかな? でも、あまりなれなれしいのもちょっと……
「どうしたの? なにかあったの?」
とりあえず、これにした。
→送信。
そしてふっと息をつく。でも、どんな返事が来るか恐い。
私、ベッドに横になって待ってた。
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