黒板の使い方

お題：とてつもない黒板 制限時間：15分

黒板の使い方

「普通に考えてさ、後ろの黒板使うのはおかしくない？」

「まぁ……他の先生は使ってないからね」

「おかげで振り返って、ノートに書かないといけない」

「いっそのこと机を反転させればいいんじゃない？」

「その方法もあるかなぁ。でも、あの先生急に正面の黒板も使うから……交互にするってわけにいかなくない？」

「そうだね。油断してると消されちゃうし、きちんと先生の後を追わないといけないね」

「こういうのって虐待に入らないかな？」

「体罰には入らないだろうね。いくらわたしたちの首が疲れようと、相手はきちんと授業を行ってる。正面の黒板を使おうが、後ろの黒板を使おうが、それを聞く、見るのは生徒であり、その他でもない」

「移動するからサボろうとしても見つかっちゃうし」

「それは……先生よりもよっぽど悪いと思うよ」

「だって歴史なんて興味がないもの。それが自国になろうが世界になろうがどうでもいいもの。大事なのはこれからでしょ」

「覚えておいて損にはならないけど、ためになるってことは確かにないかなぁ。おそらくそこから何かを得て欲しいがためにある教科だと思う」

「嫌いになるための授業かもしれないよ」

「でも、点数高いじゃん」

「そりゃ……先生の授業面白いもん。あれで点数が上がらないわけないじゃない」

「なら、不満言ってる場合じゃなくない？」

「うーん。面白くても黒板の使い方は問題になるでしょ！」

「そこは認められないのね」

「もうすぐ電子化するっていうのにさ。先生2つも黒板使ってたら対応できるのかなっていうのもあるんだ」

「それはそれで複数使うんじゃないかな。もともと配布してるプリントなんて参考書なみにわかりやすいもん」

「複数か……ついていけるかな」

「今いけてるんだからいけるでしょ。相手が複数使おうが人間の限界がある。あっちの説明したら、こっちの説明をして、あっちの説明するなんてめんどうくさいことはしないだろうし」

「ようは慣れってことよね？」

「そうだね。電子化してもだんだんと身体がそれに対応してくよ」

「はぁ……わかったわよ。ねぇ後ろの黒板の方消すの手伝ってくれない？」

「もしかして両方消すのが面倒くさいから、声かけたの？」

「ははは、ノーコメント」