第10話

スマホが鳴った。

僕のじゃない。


おじいちゃんは、下に降りた。

ちなみにおじいちゃんのスマホの着メロは、【会いたかった】


♪会いたかった、会いたかった、会いたかった~君に~


風呂で歌ってた。


あの歳でアイドルに夢中とは、若い。


最近のアイドルにも興味はあるが、おじいちゃんの中では彼女たちを超えていないらしい。


まあ・・・置いといて・・・


「あっ、私のだ。少し待っててね」

マーヤさんが、スマホに出る。

彼女が来た、昭和30年ごろはスマホはなかったが・・・


「人間の科学力と同じにしないで。魔法世界は進んでいるの」

そうですか・・・


でも、スマホの相手と何やらもめているな。

相手はだれだ?

彼氏かな・・・


でもそれなら、もっと早くに連絡よこすな・・・


相手は誰だ?


「そんな急に待ってよ。えっ、待てない?すぐ戻れ?

後、人間時間で三日。

だめ?すぐに戻れ?


わかった。

明日には、帰る・・・」


マーヤさんは、スマホを切る。


「どうしたの?マーヤさん・・・」

「お父さんから・・・」

「なんだって・・・って、プライベートな事は訊くのはよくないですね・・・」

「いいよ。君にも関係あるから、教えてあげる」

「何?」


マーヤさんは、間をおいて答える。


『すぐに戻って結婚しろって』

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