趣味のお仕事

バブみ道日丿宮組

お題:美しい幻想 制限時間:15分

趣味のお仕事

「今日はいいあんばいだね?」

「うーん、どうかなぁ。造形としては悪い気がするよ」

「使用価値としては高いと思うよ」

「使ってもないのに勝手に評価あげないでよ」

「使ったら商品にならないのだろう。いや、君が使えば別の意味で売れるか」

「もう! 知らない!」

「怒らないでよ。第一に君は否定できないだろう。なんたってオナニー商品の作成を行ってるんだからね。しかも可愛い女の子が、ね」

「これが私の才能なんだから仕方ないでしょ」

「しかし不思議だよね。使用することもなく制作してるのに、どれもが至高の逸品。誰もが名器とレビューする商品になる」

「それが才能っていうものじゃないの?」

「才能っていってもテストくらいはするだろう? 君はそんなことしない」

「……してないってことはないよ」

「えっそうなの? 使用済みのもらってもいい?」

「何言ってるのよ! ライバル社のがどんなものか試してるだけなんだからね!」

「そっかそっか。それでものはどこにあるの?」

「言わない。絶対言わない!」

「部屋の中にあるのは絶対だよね、うん」

「勝手に探し始めたら殺すから」

「こわっ」

「第一にそんなことしなくても、わ、私を直接食べればいいじゃない」

「それはそれ、これはこれってやつかな。生物と焼物だとかなりの違いがあるでしょ」

「そんな性癖わからない!」

「性癖でいえば、作ってるグッズはかなりの趣味に分かれてるよね。こないだ自社で全部見たんだけど、なんていうかすごく幻想的だったよ」

「そう? 綺麗だった?」

「綺麗……っていうのかな?」

「ふーん」

「今度のは2つの穴を責めれるグッズなのか」

「まだ下書きなのにわかるの?」

「なんとなくだけどね。ほら、君がこっちもほしいっておねだりしてたから、そういうのもあるんじゃないかなって」

「やめて! 欲しがりじゃないから!」

「恥ずかしがらなくてもいいじゃないか。ここには二人しかいないし、僕らは恋人だ。どんな秘密も共有しあえる存在だ」

「それでも個人として守りたいことはあるの!」

「まぁ……作ってたら守ってるような感じはないかな」

「……それでも」

「ベッドで眠ってるから、テストできるようになったら起こしてね」

「あんまり匂いつけないでよね」

「気をつけるよ」

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趣味のお仕事 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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