とある魔王城
バブみ道日丿宮組
お題:1000の勇者 制限時間:15分
とある魔王城
「勇者の数が多くてもこれじゃぁ意味がないぞ。さっきので1001人目のリライブだぞ」
「だね、魔王様」
「何食わぬ顔で横に座ってるけど、君は一応あっち側だからだぞ?」
「硬いこというなよ、魔王様。若いやつには経験を積ませないといけないし」
「だからって、魔王城をレベル上げのために開放するのはちょっと……あれだぞ」
「無限に再生して難易度も変わる。素晴らしいところだと思わない?」
「その設定なのに、君は無視してここにいるよね?」
「そりゃ攻略者ですからね。というかもうこのレベル帯じゃ苦戦しないよ」
「他の魔王城に挑戦するとかないのかい?」
「もう5年の付き合いになるじゃないか。他のところにいくなんてよっぽどのことがなきゃないよ。君は魔王様の癖に圧制しないし、滅ぼすのは割に合わないかな」
「世間体ってのがあるだろ。その割に勇者が攻めてこない日がないぞ」
「レベル上げの魔王城と言われてますからね。他の魔王様は魂さえ滅ぼしてしまうのに、リライブを許してる」
「人を殺すのは好きじゃないぞ」
「魔王様の見てくれはただの女の子ですものね」
「女の子いうな! これでも君より100歳は年上だぞ」
「そうでした、そうでした。薄い本より先に進めてない大人の女性でしたね」
「なんだそれ! 大事なことだぞ、知識を得るってことは!」
「実践しないところが魔王様らしくないところですよね。他の魔王様は、街の人誘拐して陵辱、暴力の限りを尽くすというのにね?」
「好きじゃないっていったぞ!」
「そういうこともあって、新人君を軽い気持ちで送ることができてます」
「はぁ……かんべんしてほしい」
「魔王城の熟練度が上がっていいじゃないですか。階層も増えたし、しもべもたくさんいるじゃないですか」
「そのしもべよりも近くにいる君は一体何なんだい」
「旧友ってことで」
「勇者と魔王が旧友っておかしくないか。まぁ僕は他の魔王と仲良くはないが知らないわけじゃないぞ」
「インドア派ってやつですね。あっ、これ新しいバストアップの雑誌です」
「ありがとう……じゃなーい!」
「いらないんですか? せっかく他の街から仕入れたのに」
「もらう、もらうぞ! ど、どうして知ってるんだ。僕がバストアップの本を集めてることを!」
「隠すも何も部屋に転がってるじゃないですか、薄い本と同じように」
「ええい、どうしてしもべたちはこいつを通したんだ」
「あなたは信頼できるからどうこうって言われましたよ」
「くぅ……屈辱だぞ」
「ほら、早速試してみましょう。ここだとあれなのでお風呂行きましょ、お風呂」
「あーもう引っ張るな!」
とある魔王城 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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