最後の死亡
僕は家庭裁判所にいた。
正人の殺害については正当防衛が認められ、保護観察処分となった。
あれから、愛華とは会えていない。
会って話さなきゃ…正人の事。
会って話さなきゃ…僕の気持ちを…
家庭裁判所から自宅に帰った。
そこで見たものは荒れ果てた自宅だった。
そこら中に落書きや張り紙がある。
「殺人鬼!!今すぐここから立ち去れ!!」
「殺人鬼の家はここです」
「おまわりさ~ん。殺人犯はここですよ~www」
家のガラスも割れていた。
たぶん投石で割れたんだろう。
全ての窓のカーテンが閉め切られていた。
どうしてこうなったんだ…
どうしたらよかったんだ…
僕は家を飛び出し愛華の家に向かった。
ピンポーン
愛華の家に着いた僕はチャイムを押した。
「はーい。どなたですか?」
会いたかった愛華の声だ。
「優紀です。」
ガチャ…
しばらくすると玄関のドアが開いた…
愛華は門の前にいた僕に気が付き近づいてきた。
でも、その顔は能面のようだった。
「もう来ないで…あなたの顔は見たくない…」
告げられたのは愛華からの拒絶だった。
わからない。君を僕は守ったんだよ?
「どうして?理由を教えてくれないか?」
「どうして?よく言えるね!!あなたは…正人を殺したの!!正人を殺したとき、あなたは笑ってたのよ!!」
「え?そんな…はずは…」
そんなはずはないと言いたかった…でも愛華の顔を見るといえなかった…
僕はその場を逃げ出した…
なぜ逃げたかはわからない…
そこにいたくなかったんだとおもう…
しばらく街中を歩いた。
視線が痛い。
周りの視線が突き刺さる。
僕は自宅へ帰った。
「ただいま…」
返事はなかった。両親の靴は玄関にあったから中にいるはずなのに…
電気のついていない家をゆっくり進み居間へ向かった。
僕が見たものは…
両親の遺体だった…
近くには遺書らしき殴り書きがあった。
父親のそばには一言『つかれた』と。
母親のそばには『あなたさえいなければ…死んでしまえ!!』と。
僕は衝動的に台所へ向かった。
流しにあった包丁を手にすると…
自分の首をかききった…
………BADEND………
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