6回目の死亡
ピピピッ!!ピピピッ!!ピピピッ!!
AM5:00
バシン!!
「うるさい…」
僕は時計を見た。
今日、また僕は殺されるのか?。
嫌だ…死にたくない…
何度も布団から出ようと思った。
でも、殺されるかもしれない恐怖でそれができなかった。
僕は結局、布団から出られなかった…
AM7:00
ドンドンドン
ドンドンドン
「優紀!!いつまで寝てるの?!学校に遅れるわよ!!」
ドンドンドン
ドンドンドン
「優紀!!」
ガチャ!!
母親が無理やり部屋に入ってきて布団をはがした。
「まったく…いつまで寝てるの!!正人君が迎えに来たわよ!!」
え?正人が迎えに来てくれたのか…
だったらいかないとな…
あ、そうだ念のためカエルのぬいぐるみを付けて行こう…
妹から帰るのキーチャームを借りて通学鞄へ取り付けた。
AM7:30
「いってきます…」
玄関を開けると、門の前で正人が待っていた。
「おはよう正人。まさか迎えに来るとは思わなかったよ。」
「あぁ、おはよう優紀。昨日借りた本の内容で話したいことがあったからさ。」
「そっか…歩きながら話そう。」
そう言って正人と一緒に、重い足取りで学校へ向かった。
AM7:45
学校近くの通学路。
いつも通り慣れた通学路だ。
丁度桜並木に花が咲き誇り、見ごたえ十分だった。
今度3人でお花見できたらいいんだけどな…
正人と二人で桜並木を歩いていく。
途中で、愛華合流してきた。
「おはようゆう君。それと正人君。今日もいい天気だね?」
「あ、あぁ。おはよう。」
なぜか正人は元気がなかった。
さっきまでは普通だったんだけどな?
「悪い二人とも、忘れ物したみたいだ。先行ってて。」
そう言うと、正人は慌てて来た道を戻っていった。
「遅刻しないといいんだけどね…」
愛華が心配そうにつぶやいた。
ほんと、何したんだろうな?
AM8:00
いつもの坂道を上ると、もうすぐ学校だ。
校門の前では生徒指導の先生が、朝の挨拶運動をしていた。
遠くから「おはようございます。」の声が聞こえてくる。
すると、先生が突然驚いた顔をした。
「優紀!!逃げろ!!」
ドスン!!
グサッ!!
痛い…なんで?
痛みが襲ってくる。
痛みが有る右の脇腹を見ると、深々とナイフが刺さっていた。
「左じゃないのかよ…」
念のために左脇にはカエルのキーチャームのついた通学鞄を抱えていた…
「結局刺されちゃったか…」
ドサリ…
僕は力を失い倒れこんでしまった。
僕の周りに血の海ができていく。
やはり薄れゆく意識の中で聞こえてきたのは、愛華の声だった。
「どうして!?◆◆君!!」
「しっかりしてゆう君!!」
誰と言い争ってるんだ?
そして僕は結局殺されたらしい。
僕が覚えているのはここまでだ。
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