第10話 聡子 4
聡子が俺に手を差し伸べる。
だめだ聡子。
朦朧とした意識の中で、俺はだめだと繰り返す。
俺なんかを許してはだめだ。
聡子。
俺のことは憎め、俺はそれだけのことをしてきた。
でも
でも
俺は途切れる意識の寸前で心が安らかになって行くのを感じた。
俺は
俺は聡子から許されたかったのか。
聡子
聡子
おまえはなんて優しんだ。
この最後の瞬間、もう一度だけおまえの優しさに触れてもいいだろうか。
ありがとう聡子
ありがとう聡子
そして俺の意識は眠るように消えて行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます