公園ベンチのサンタさん

帆尊歩

第1話 雪の降る公園

せっかくの日曜日だと言うのに、窓の外は雪が降っている。

私はもう一度窓の外を見てみる。


窓の外には公園が見える。


たいして大きい公園ではない。

二階の窓からなら全てが見渡せる程度だ。

でもこんな公園でも子供の頃の私にとっては大切な遊び場だった。

いつだってここに来れば誰かしらいた。

あの頃、公園に遊びに行くことは幼い私にとって一番の楽しみだった。


でも今、公園は本当に寒そうだ。さっきまで黒い地面が見えていたのに、今はもう一面真っ白、大粒の雪が降り続いている。

なんて寒そうなんだろう。子供の頃から住んでいる家のすぐ横にこんなにも寒そうな場所がある。


一番遠いベンチの上に何かがある。

物が置いてあるのかと私は思った。


いや違う。


人だ。


人がベンチの上で横になっている。

あんな所に居たら死んでしまう。

なんであんな所に。

そして私は思い出した。


あれは公園ベンチのサンタさんだ。


帰って来たの、と私は心の中で叫んだ、いやそんなはずはない、あれから何年たっている、でもあれがサンタさんなら謝りたい。そう私はサンタさんに謝らなければならないことをした。世間的にはたいした事ではないのかもしれないけど、

謝りたい。

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