ゴール

「・・・汝、健やかなるときも、病めるときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」

「はい、誓います」


 結婚式が粛々と行われている。


 沢山の人が参列していた。


 賢者の父親と妹。

 伯爵様。イガの男爵。

 そして聖女・魔法使い・異世界の勇者。


 魔王国からも魔王や遊撃隊隊長をはじめ、大勢の人が参列している。


 参列している人々の中には感動して涙しているものもいた。

 特に、聖女様とか異世界の勇者とか・・・


 特に、聖女様はハンカチを噛み締めながら涙をボロボロと流して、新郎と新婦である賢者と将軍を見つめ・・・いや睨んでいる。


 そして、異世界の勇者も涙を流している。

 真っ赤に泣きはらした目で、将軍様を見つめている。




「では、誓いのキスを」



 新婦である将軍の顔を覆っているベールを上げ・・・賢者はゆっくりと・・・キスをした。



 こうして、二人はついに結婚したのであった。

 そして、末永く幸せな家庭を築いていくことになるのであった。






 チャペルから出てきた新郎新婦。


 新婦・・将軍は手にしているブーケを大きく振りかぶって・・・投げた。


 ブーケトスである。

 そのブーケを受け取ろうと、独身の女性たちが我先にと群がった。


 そして受け取ったのは・・・


「あら、受け取っちゃった。じゃあ、次に結婚するのは私?」


 顔を赤らめ、くねくねと恥じらう・・・・遊撃隊隊長。


「「「「「お前が受け取るんじゃない!!」」」」」


 当然のごとく、全員からツッコミを受けたのであった。

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