最終章 二人一緒に・・・

最終章 プロローグ


 ジリリリリリ ジリリリリ


 魔王の執務室で、電話のベルが鳴る。

 この電話はホットライン。相手は聖女以外にはありえない。


 魔王は受話器を取る。

「あ~もしもし。聖女? どうした・・・?」

「・・・・・・聞いたわよ」


 なんで、こんなに情報が早いのだろう。


「聞いたって何をじゃ?」

「とぼけないでよ!勇者様が将軍にプロポーズしたって聞いたわ」


「あ~~そうなんだ。残念じゃったのぅ」

 ニタニタ笑いながら、受話器に話した。

「それで、式はいつなのかしら?」

「あ~~、まだ検討中のようだ」


 すると、聖女は少し沈黙する。


 そして言った。


「では、

「おい・・・聖女?何を考えてるのじゃ?」


 そこで、電話は切られた。


「ううむ・・これ以上は、わしもフォローしきれんぞ・・・」


 




 ハコダテの夜。

 今日も賢者はよく働いた。

 畑の開墾。種まき・水まき。

 そして、昼食と夕食の準備。

 そして、あとかたずけ。


「充実した一日だったな・・・」

 賢者は満足そうにつぶやく。


 忙しい平日。

 だが、これはこれで臨んでいた暮らしだったのである。


 自室に戻り、明かりを消す。


 そして、ベッドにもぐりこむ。



 むにゅ



 何かベッドの中には暖かくて柔らかいものがある。


 むにゅむにゅ


 これはいったい・・?


「あん!私の勇者様♡お待ちしておりましたわ」


 賢者は、ベッドから飛び出ると部屋の壁まで飛び退いた。

 ベッドの上。毛布をめくって出てきたのは、全裸の聖女様だった。


「ななななな・・・・なんで聖女様がここに・・・??」


 震えながら、当惑する賢者。


「あら、ひどーい。勇者様に会いに来たに決まっておりますわ♡」

 

 しなを作って悶える聖女様。

 やばい・・・身の危険を感じる。


「さぁ・・勇者様。私の所に来てくださいな。一緒に楽しみましょ♡」


 賢者は、滝のような汗をかいている。

 ガタガタと震えている。


「うわあぁぁぁ!!!」


 賢者は取り乱して逃げ出した。




 将軍は、執務室から自室に戻る途中だった。


 今日も、そして明日も賢者が一緒にいてくれる。

 そのこと思うだけで、将軍の胸の奥が暖かくなる。


 自室まで来て、扉を開こうとした時・・・・・・向こうからすごい勢いで賢者が走って来た。


「おや、賢者。どうした?」


 すると、賢者は将軍の前まで来て停まった。

 そして、将軍の前まで来て・・・停まった。



「しょ・・・将軍! 一緒に逃げてください!!」


「はい!?」

 

 


 

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