彼女の虫
バブみ道日丿宮組
お題:女の虫 制限時間:15分
彼女の虫
「よくあの女についてく気になったな」
「そんな言い方はよくないよ。彼女は彼女なりにいいところがある」
「それがわからないからついてく気にはならない」
「決めつけだけでやり過ごすのもどうかと思うよ。メガネをつけてたら博士きゃらとか、金髪で着崩してたらギャルとか、黒髪ロングは白下着とか、そういうイメージがあるんじゃない」
「さらっと性癖が暴露されたような気がするが、それでもあの女のイメージ向上にはならないな」
「胸は大きいし、お尻も安産型、たまに見せるパンチラ、ブラチラはいい文化だよ」
「さらに性癖が暴露されたな。俺にはどうでもいいことだがね」
「一緒に愛好家になろうよ。今ならおすすめの一枚をプレゼントできるよ」
「それはちゃんと許可を本人にとってるんだろうな?」
「もちろん。部屋で撮影したのをもらったんだ」
「そうか。それでいっそう興味なくなったわ」
「どうしてだよ。悪い子じゃないんだ。むしろ、いい子。一緒にいたら楽しい子なんだよ」
「好き嫌いを押し付けたら、それは押し売りに過ぎない。もう少しマシなやつだと思ってたんだがな。あの女に影響でもされたか」
「君も彼女と交流を持てばわかることだよ」
「はん。わかりたくもないな。俺は一匹狼タイプ。あの女みたいに群れるのは好みじゃないんでね」
「君はいつだってそうだ! わかりきったような態度で否定して! そのくせなにも得ていないじゃないか」
「そうだな。そうだとも。俺は非生産的だよ。あの女はそれなりのポジションにつくためにいろいろと手をつけて実力を出してる。俺はといえば、血反吐にまみれながら毎日を必死に生きてる。世界が違うんだ。だから、あの女を気に入ることはない」
「なんだい。僕よりも君のほうが彼女のことを知ってるじゃないか」
「情報は武器だからな。教えてほしいなら、スリーサイズ、誕生日、血液型、両親の名前、ペットの名前ぐらいなら教えられるぞ」
「……君はストーカーか何かか?」
「何を言うんだ。俺はわかる情報しか手につけてないぞ」
「君のいう情報を僕はどれもしらない。彼女の後をくっついてるこの僕がだぞ?」
「それはただたんに彼女だけを見続けてたからじゃないのか? 少し離れてみればいいだけだぞ」
「違うね。彼女の側にいくまで僕は君と一緒にいた。少なくとも情報はその時はなかったはずだ。僕が彼女の話をするようになって君は情報を得た。つまり、君も気になってるってことだよ」
「……ありえないな」
「事実だよ。知らないデータを持ってる。それが全てだよ」
「なんだよ……いつの間にか虜にされてたっていうのかよ」
「いい機会だから、彼女に紹介してあげるよ。もっとも既に話してはある」
「……しかたねぇな。ついていってやるよ」
「最初からそういってくれればいいのに」
彼女の虫 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます