演技の日
バブみ道日丿宮組
お題:私の演技 制限時間:15分
演技の日
演技をするのは悪いことじゃない。
処世術みたいなもので、私みたいに浮浪し続けてるといっこうにお金は貯まらない、持ち物だって増やすわけにはいかない。身軽でいなきゃいけない。
もちろん、相手を選んでお金持ちのヒモになってしまえば、生活に困らないかもしれない。
ただ……お金持ちというのは、周りに女性がたくさんいて、私みたいな学生にはないものをたくさんもってる。そうたくさん。
だからこそ、演技をして相手を喜ばせなくちゃならない。
感じていようがいないが、感じてる。
いきそうになったら、いってる。
笑ってほしければ、笑う。
泣いてほしければ、泣く。
殺してほしければ、殺す。
「……」
そうして、また孤独を続ける。
その繰り返しをしてる。
「よくできた。褒美をやろう」
死体をいじくりまわし、屍姦してた男が私に手をのばしてくる。
赤く染まったその手が、私の手、腕、足、腹、腰、そして胸や陰部に次々と触れてく。
「……ぁ」
温かい。いつも以上にその手は温もりを持ってた。
それは転がってる女性だったものの温かさかもしれない。
つい数分まで喋ってたとは思いきれないほどに、切り傷が目立つ身体。これを自分がやったのだと思うと、少しひんやりとした。
けれど、生きるためにはこうするしかない。
今のご主人さまはそれを望んでる。
私は、好感度を得るために、頬を赤らめさせ、顔をそむけた。
そのまま乱暴にベッドに押し倒されると、手を口に突っ込まれ、他人の生き血……死に血を飲まされた。
何度も何度も口の中をぐりぐりされ、嗚咽感が増してく。
男はわかってるな? と視線を向けてくる。
だから、私は大丈夫なフリを続けた。
私の反応に満足した男は、本番を始めた。
演技の日 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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