第62話
どちらの味方か解らない兵士たちは俺を邪魔な存在と判断して攻撃してきた。
攻撃してきた兵士に対して俺がすることはただ一つ。
「す、スライムの上位種だ!」
蹂躙するだけのこと。
「く、コイツはベノムスライム!」
「口を閉じろ!ポイズン種も紛れているぞ!」
様々な上位種が揃えば魔王の軍勢と変わらない。
ましてや世界最大の数を誇るスライム種。
その安価な生産性と強力な殺傷性から独自に研究する国も少なくない。
しかし誰も成功しなかった。
唯一の成功者はここに、ただ一人。
「メタルスラ坊ズは武器を潰せ。」
「Sura!」
「アジットスラ坊ズもそれに便乗して破壊された武具からの殺傷能力を殺していけ。」
「Sura!」
「く、くるな!」
「お願いだからこっちに来ないでくれ!」
両国の兵士たちは戦意を失いつつある。
なんせお伽噺より語られる油断すればすぐに殺される存在が軽く万を超える大群で襲い来るのだから怖くない筈が無い。
「ふーん、戦意を失ってるのかよ。俺みたいなダブル持ちでしかも農民のような雑魚によ。」
「ひ、ひぃ!」
「はあ、しゃーね。スラ坊たち、俺の声を拡声してくれ。」
スラ坊たちはユートの声を拡声させる準備をするため整列した。
「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」「「「Sura!!」」」
「「「さて、全戦場に居る兵士どもに次ぐ、このスライムたちに恐れおののく者どもの戦場はここではない。直ちに自分の戦場に戻れ!」」」
たかが農民、されど農民。
自分の持ち場(畑)を守るために戦場に来たに過ぎない。
故に持ち場に戻らない兵士は兵士ではない。
拡声された音声は戦場の隅々まで響き今尚戦闘に釘付けな者を除いて全兵士は逃げ出した。
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