第40話
「まだだ、まだ根付いたとはわからない。」
1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年経った頃、ようやく確信を持てた。
「根付いた、やれたんだ。やれたんだ俺たちはこの土地の開拓を!」
辺りを見渡せば畑だけでない青々とした草むらが横たわっている。
最初は小さな畑から始まった不毛の土地ももう不毛の土地とは呼べない。
人が生きれる土地に生まれ変わったのだ。
呼吸をすればあの石の匂いしかしなかったのが草の匂いにかわり、土の舞う音しかしなかった土地の音が今では小鳥の囀りさえ聞こえる。
死の土地から生きた土地に生まれ変わったと確信できたとき人は歓喜する。
そしてもう一つできたものがあった。
「コレが俺たちの城かぁ。」
城、結局3つ全てを作ることはせずにピグミーの考案した城を作った。
初めはガンサムの城にしようと言っていたのだが村長が木材を生産できるようになったのだから木材を使った城を作った方が見栄えが良いと言われたしなんとなくだがピグミーの城がカッコよく見れたからそちらを作った。
「でも魔王が復活したなんて初めて知ったなぁ。」
一応王都に行こうか迷ってはいたがどんどん仕事が忙しくなり行くに行けず行商人のおじさんから情報を得るにとどまっていた。
そして彼女が今は騎士団長の地位を得て魔王を討伐する軍に置いていることを知った。
「今では屋敷を持っているとはなあ。早く見てみたいか?」
「うーん?」
「どうした行きたくないのか?」
「この村はまだ村だよね。」
発展はしてきているが肝心の人は開拓村の時からさほど変わっていない。
行商人のおじさんも10年という歳月を掲げなければこの不毛の土地への信頼は低いことを承知で呼ばなかったのだ。
だがそれも今日までだ。
既に町にすべき都市の形成は住んでいる。
後は住民のみ。
しかしその前にユートにはやるべきことがあった。
「ちょっと幼馴染の上司に喧嘩売ってくる。」
「おいおい…………。」
「ほっほっほ、売ってこい。そしてワシからも果たし状じゃ。」
村長は封筒を差し出した。
勇者が出て行き丁度10年後のこの日を持って建国日とされる。
のちの世界中に喧嘩を売った不毛の土地の住民たちの反逆が始まる。
いずれの国も認めようとしない。
否認めたくはない国が形成されていく建国記の序章は終わり、今破章へと移る。
だがその前に少しかの建国者の幼馴染である勇者について語ろうか。
と吟遊詩人は話を変えていった。
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