第2話

いつものように俺は散歩して、家に帰って。

暇だからまた散歩して、家に帰る。

特に飽きもしないけれど、味もしない。

それがいいんだよな。

桜の舞うこの春、俺は教師になった。

国語の、教師に。

運動が好きな子はその子なりにその世界が輝いて見えるはず。それと同じ。

俺には本の世界が輝いて見えた。一回じゃない。何度も読み返すとそのうち

あぁ、きっとこうしたかったんだろう、とわかるようになってくるのだ。

人だけじゃない。植物も。生物も。皆が感情を持つと明確になるのは、いつだって小説の中だけだ。

少しだけだけど、


特別感、


というやつだろう。

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異世界ものではないですが。 @hariyamamasiro_

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