第10話 別れの時が来たようだ

3月25日。

今日は終業式。

桜が舞い散る良きこの日に当時の私は別れを体験する。

それを未来の私は見ていた。


教室で異動する先生の名前を聞いて泣く私。

その中には鈴木先生の名前が挙がっていたからだ。

きっと当時の私は鈴木先生の事が先生として好きだったと思う。

未来の私も同じだ。


そして外に出ると、人がいっぱい居る中で当時の私が辿り着いたのは

鈴木先生の所だ。


当時の私は泣きながら言葉にする。

そんな私は慰められている。


私は思い出して虚しくなる。

後悔の日々になる事を知らない私を見て。


そして当時の私は帰る。


未来の私はそこに留まることしか出来なかった。

人も居なくなってきた。


「鈴木先生職員室行かないの?」


「後でね」


同年代の2人が話している。

同僚と思われる人は去った。


「居るんだよね、佐倉さん?」


未来の私は声をかけられる。


「何で分かったんですか…?」


「最初から見えていたんだよ。 他の先生が見えなくても俺はね」


「嘘だ…」


「嘘じゃない」


そう真剣に言うということは本当の事実なのだろう。


「未来の私が言えることは、貴方は幸せになっていると思います。 今よりも」


「そっか。 佐倉さんも幸せになれていると思うよ」


そんな先生の声で私は目の前が暗くなる。


目の前が明るくなった時は、神社にいた。

私はこの状況を見て、元の世界に戻ったのだと気づく。

そう、鈴木先生も楽しい状況も何かも消えた世界。

私は泣き崩れた。


そんな私の元に紙飛行機が飛んでくる。

その紙飛行機には書き込みがされてあった。

「頑張って、応援しているから!」って。


誰かは分からないけどありがとう…。





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またあの時を思い出せばきっと。 さくら ゆい @yui_0830

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