まんがでわかる 7つの習慣
1.
スティーブン・リチャード・コヴィー氏の『7つの習慣』という有名な本がある。分厚く難しそうなので、手に取ったことはない。
今回、その本を分かりやすく噛み砕いた『まんがでわかる 7つの習慣』という本を、書店で見つけたので読んでみた。
ここで、特に私の心に残った3つの習慣を紹介したい。
1つ目は、第1の習慣「主体的である」こと、2つ目は、第3の習慣「最優先事項を優先する」こと、3つ目は、第4の習慣「Win-Winを考える」ことである。
2.
まず、第1の習慣「主体的である」ということ。
自分の性格や行動は、自分の選択の積み重ねの結果である。主体的でない人は、育ちや環境、過去の体験、星占いや血液型まで、物事がうまくいかない理由にする、とコヴィー氏は言う。
何とも耳の痛い話である。
私もうまくいかないことを、自分の生まれながらの能力や、過去のトラウマなどのせいにしてきた部分があった。
幼稚園や小学校の頃から、「変わってるね」「ひとりが好きなのね」と言われてきたから、私は変わり者で、おかしくて、人と上手く関われないコミュニケーション能力に問題がある人間なんだ、と。
過去にこんなつらい目にあったのだから、社会に出て人にもまれて生きて行くのが怖くなってしまったんだ、と。
確かにそれは間違いではない。私は変わり者で、コミュニケーションが苦手で、過去のつらい経験もある。
しかし、それを行動しない理由にしてしまっているのではないか……と考え直すことができた。
社会で生きて行くためには、自分の苦手なことやコンプレックスを理解した上で、自分の能力を伸ばしていくしかない。そうやって生きて行くしかないのだ。
これからは、主体的に選択した行動を取っていきたいと思った。
また、「影響の輪」を意識して行動することが大切だとコヴィー氏は言う。
自分の影響の及ぼせない事柄に対して、やきもきしても何も始まらない。自分が影響できる物事に対して、主体的に行動することが大切なのだ。
誰もが「後悔」をすることがあると思うが、起きてしまった間違いを取り消すことはできない。自分が変えられるのは「次の行動」だけだ。
当然のことと言えば当然のことだが、過去の失敗をずっと思い悩んでしまうことがある。次の行動しか変えることができないのに、だ。
改めて、もののとらえ方や考え方を意識することができた。
3.
次に、第3の習慣「最優先事項を優先する」ということである。
「緊急でないが重要なこと」に時間を割くべきだとコヴィー氏は言う。
人間の活動領域には、「緊急で重要なこと」「緊急だが重要でないこと」「緊急でないが重要なこと」「緊急でも重要でもないこと」の4つがある。
人々は、「緊急で重要なこと」に追われ、無駄な「緊急でも重要でもないこと」(例えば、だらだらとゲームをする、SNSやテレビを見るなど)に逃げたくなるのだ。
だが、最も重要なのは「緊急でないが重要なこと」だ。
他の3つの活動領域に属する活動を減らして、「緊急でないが重要なこと」に時間を割くことが大切だ。
私もやはり「緊急で重要なこと」「緊急だが重要でないこと」に追われて疲弊する生活を送っている。今後は、自分にとって何が最優先事項なのか、考えて時間を使っていきたいと思う。
4.
最後に、第4の習慣「Win-Winを考える」である。
双方にメリットのある道が真の正解である、とコヴィー氏は言う。
世の中には「Win-Lose(自分が勝って、相手が負ける)」という考え方が蔓延している。交渉には、勝者と敗者がつきものだ、と。
一方、「Lose-Win」の考え方もはびこっている。
私はこれまでこちらの考え方を取っていた。
頼まれれば、本意ではないことも受けてしまう。自分ばかりが我慢し、受け入れる。
それでいいんだ、と。別にいいんだよ、私は。みんなが嬉しいなら。
そして、どんどん疲れや不満が溜まって積もって、しんどくなっていく……。
この本を読んで、自分もWinを得なければうまくいかないのだ! と納得した。
Loseをかぶってばかりだったから、こんなに疲弊していたのだ。
これからは私も、Winを得る選択をしていく。もう誰にも搾取されない。そう強く思えた。
5.
この本は、第1、2、3の習慣が「私的成功」について、第4、5、6が「公的成功」について書かれてある。
自分の人生について考えることでいっぱいいっぱいな私は、「私的成功」のチャプターの方がためになった。
「公的成功」についてのチャプターも、他者と円滑に関わっていくために大切なことが書かれていたと思う。
この本を読んで、非常に前向きになれたと思う。
こういう自己啓発本は読むタイミングも重要だと思うので、別の時に読んでいればこのように心に残ることはなかったかもしれない。
しかし、今の私にとっては、強い影響を与えてくれる本となった。
※学者でも専門家でもない筆者の、学生の読書感想文に毛が生えたような、大人の読書感想文である。
間違った箇所がある場合は、暖かく指摘していただけるとありがたい。
フランクリン・コヴィー・ジャパン、小山鹿梨子(2013)『まんがでわかる 7つの習慣』,株式会社宝島社
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