怖い

 朝が怖い。

 

 カーテンの隙間から差し込む日光は、暖かく無慈悲。

 いくら乞い願っても、待ってなんてくれやしない。

 追いやられるようにして、家を出る。

 眠いその目は濁ってる。


 昼が怖い。


 人がひしめく喧噪に、取り残されてしまった。

 声は聞こえる。姿は見える。

 なのに誰も映らない。

 こんなに人は溢れても、孤独なことに変わりは無い。


 夜が怖い。

 

 みんなが眠っているのに、一人だけ取り残された。

 朝がやって来ると分かるから、絶望した。

 誰もいない。誰にも理解されない。


 怖い。怖い。怖い。


 明日が怖い。


 また頑張らなきゃいけない。


 昨日が怖い。


 何か失敗してしまったかもしれない。


 今日が怖い。


 今している事は正しくないのかもしれない。


 でも、それでも、


 強がって、肩肘張って、


「怖くない」


 って言い張るさ。

 



 

 

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