第5話 琴乃匠

塾が始まって、おそらく1ヶ月は経ったであろうある日。


「来たで。

華凛、梅ねり」


「ありがとう、たっくん」


華凛が梅ねりを受け取った。


男子高校生であろう人物がこちらに来る。


「来たか、琴乃氏」


コニーが、そう言った。


「来たぞ、ジジイが」


マリがそう言う。


「マリ、お前ふざけんな」


「あ〜…誰?」


私は思わず声に出す。


「どうも、琴乃匠ことのたくみです。

以後お見知り置きを」


「佐倉結衣です。

よろしく」


自己紹介を終えた後で私は何を話そうか迷った。


脳内会議が始まりそうなほど、思考が停止しかけた。


もう、私はコミュ障が出過ぎでしょ。


「俺はバイトとかしてて、忙しいけどたまにここに来るんだよ。

佐倉さんは華凛と同い年?」


「そうです」


「へえ」


「ねえねえ、結衣ちゃん!」


華凛に話しかけられた。


「ん?どうしたの華凛」


「たっくんはね、君津生まれなんだよ!」


「へえ〜君津かあ…。

どんぐらい君津帰ってるんですか?」


「年に5回とかかな

佐倉さんの出身は?」


「私は北海道です」


「おい、コ二ー君は喋らないのかな?」


琴乃くんはそう言う。


「今フルコン目指してる」


「いつもの様に音ゲーかよ」


私の会話で休憩時間が終了した。


新しい人が増えた…


私どうなるんですか〜!?

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