幼馴染のドラゴン少女と行くヒーロー道
ムネミツ
第一章:幼馴染帰還編
第1話 帰って来た幼馴染
夕暮れ時の公園、泣いている金髪の少女を黒髪の少年があやしている。
「……うぇ~~ん! 誰がクラスでお嫁さんにしたくない女第一位よ~!」
「泣くなよ、俺が大きくなったらヒーローになってリンちゃんと結婚する!」
「……ほんと? たっちゃん?」
「ああ、だからリンちゃんもおばさんみたいなおっぱい大きい美人になれよ♪」
「……た、たっちゃんのおっぱいばか~~~~っ!」
だが、少年の言動は少女を怒らせただけであった。
少年をバシバシと叩く少女。
「ぎゃ~っ! リンちゃん、痛いから止めて~!」
幼き日の少年と少女の思い出であった。
時は流れる。
「たっちゃ~~ん! 帰って来たわよ~~~~っ♪」
「だ、誰だお前は~~~っ!」
胸の大きな金髪碧眼ショートボブの白人の美少女が空を舞い、黒髪の少年を追う。
少女は背中には黒い翼、手足黒い鱗に鋭い爪尻には尻尾があった。
少女の体は黑い鱗の鎧を纏い、頭頂部には一対の角が生え頬や首回りは
黒い鱗が張り付いていた。
いわゆるファンタジーに出て来る、ブラックドラゴンを擬人化したモンスター娘と言う姿だった。
「何で逃げるのよ~~~っ!」
「お前が追いかけて来たからだ~!」
逃げる少年の名は
短い黒髪に格好良いと可愛いの中間な主人公顔。
そこそこ鍛えられた体を学ランに包み、通学鞄を背負ってドラゴン少女から逃げるべく夕暮の河川敷を走っていた。
周囲の通行人は、ラブコメだと思って無視しているので竜也の助けにはならない。
「あっ!」
「危ないっ!」
竜也が転びかけた時、ドラゴン少女は爆発的な加速で降下し竜也を掴み急上昇。
竜也は突然急上昇された事で気を失い、そのままドラゴン少女に運ばれて行った。
「……たっちゃん、帰って来たよ♪」
気を失った竜也をドラゴン少女、ジークリンデはしっかりと彼を抱きしめ我が家へと向かった。
竜也は昔の夢を見ていた。
「え? リンちゃん、ドイツへ行っちゃうのかよっ!」
小学生の竜也とジークリンデに、突如別れが訪れる。
「うん、三年くらいは帰れないかな? 中学もたっちゃんと一緒が良かった」
洋風な屋敷であるジークリンデの家の庭で語らう二人。
「……悔しいな、俺はリンちゃんに何もできないのか」
「そんな事ないよ、たっちゃんは私とずっと一緒にいてくれた!」
「けどよ、しばらくお別れだろ? 俺がドイツに行けるわけじゃないし」
自分が何もできないと悔やむ竜也。
「無理は駄目だよ、手紙もメールもするから」
「何か俺が慰められてら、格好悪いぜ」
「高校生になったら帰って来るから、たっちゃんは私のだし私はたっちゃんのだから
浮気は駄目だよ? たっちゃん、お母さんみたいなおっぱい大きい女に弱いから!」
竜也の掌にマジックでジークリンデと自分の名を書くジークリンデ。
「いや、流石にそれは止めろって!」
「嫌、たっちゃんと私は家のお母さん達みたいにドラゴンと竜騎士な番になるの!」
「俺、RPGはモンクの方が好きなんだけどな?」
「ゲームの話じゃなくて私達の未来の話だよ、実は私ブラックドラゴンになるの!」
「いや、どんな進化だよそれ?」
ジークリンデの話に竜也はついて行けなかった。
「……あ、夢か? 何で俺はリンちゃんの夢を?」
竜也が気が付くとそこは見知らぬ天井だった。
自分が寝かされてる白いベッドと机とクローゼットだけの簡素な部屋。
知らない場所のはずなのに、何故か懐かしい臭いがした。
「たっちゃんっ! 起きた~~っ!」
部屋のドアが開き、緑のジャージを着た金髪巨乳美少女が入って来た。
「げっ! お前はさっきのドラゴン娘っ!」
竜也は少女を見てビビる。
「ちょっと! いつまで結婚を誓った幼馴染の事を忘れてるのよ?」
「……へ? まさか、リンちゃんなのか?」
竜也、少女の正体にようやく気が付いた。
だが、ジークリンデの方は竜也をジト目で睨んでいた。
「そうよ! 何で、私の事を忘れてるのっ!」
「いや、ドラゴンみたいな姿していたら気付かねえしおっぱい成長し過ぎ!」
「あなたの為です! あなたの為に成長したおっぱいですっ!」
ジークリンデは跳躍し竜也の頭へと胸からフライングボディプレスした。
衝撃でベッドが揺れる、ジークリンデのおっぱいもぼにゅん♪と揺れる。
ジークリンデの胸に顔をはたかれた時、何故か竜也はジークリンデのバストサイズがQカップだとわかった。
「……ただいま、たっちゃん♪」
胸で竜也の頭を挟み込みながら抱きしめ、ジークリンデは帰還の挨拶をした。
それにより、再び気を失った竜也を起こすジークリンデ。
「つまり、リンちゃんはドラゴンの血を引く超人でドイツにある魔法学校で中学時代を過ごして力の使い方を覚えて帰って来たと?」
ジークリンデの説明をかいつまんで口にする竜也。
「そう♪ そしてたっちゃんと約束を果たしに帰って来たってわけ♪」
ジークリンデがぼにゅんと胸を張る、その様子に赤面する竜也。
「いや、何と言うか幸せ過ぎるな俺」
「ふふん♪ その味を噛み締めなさい、これから二人で一生幸せになるんだから♪」
竜也を抱きしめるジークリンデ、背の方も百六十代の竜也より十センチほど彼女の方が伸びていた。
「けど、背とか色々おっきくなりすぎだよリンちゃん」
「ドラゴンだから、おっきくなるしなれるのよ♪」
「昔の事や手紙の事も、本当の事だったんだな」
「む? やっぱり手紙の返事が空返事だったのは信じてなかったのね!」
「いや、そうそう信じられねえよ? 怪人や怪獣や星人や異世界人はいるけど?」
「ドラゴンも実在するの! 剣と魔法の世界はこっちにもあるの!」
パンパンとベッドを叩くジークリンデ。
「まあ、納得したけどリンちゃんはこれからどうすんだよ?」
「たっちゃんの学校に編入する♪ 一緒に青春しようね♪」
ジークリンデは太陽のように明るい笑顔を見せた。
「……リンちゃん、その笑顔はズルい」
竜也は頬を染めて視線をそらした。
「ふっふっふ、たっちゃんがデレた~~~っ♪」
「いや、デレてな~~~い!」
「バレてるから通用しませ~ん♪」
竜也とジークリンデは旧交を一時で温めた。
「ただいま」
「お帰り、リンちゃん来てるわよ~♪」
「たっちゃん、お帰り~♪」
ジークリンデの家であるファフナー邸を出て、隣の日本家屋である自宅へと帰た竜也は自分の家にの今に母だけでなくジークリンデがいる事に驚いた。
「ちょ、何で家にいるんだよ!」
「お義母様にご挨拶と、たっちゃんのお部屋チェックに来たのよ」
「リンちゃん、たっちゃんの性癖は特に変わってないわよ♪」
「母さんは、何を言ってるんだよ~~!」
黒髪ロングに糸目で巨乳なおっとり美人な竜也の母、
「息子の性的嗜好の調査は母の義務です!」
「そんな義務はねえっ!」
「お義母様、お部屋を拝見させていただいてもよろしいですか?」
「たっちゃん、観念して視察に協力しなさいね♪」
「俺にやましい事はねえっ!」
「なら私が入っても良いのよね♪」
「いや、男の部屋に女子を入れるってのはどうかと思うぞ?」
「たっちゃん、お母さん無駄な抵抗はいけないと思うわ♪」
竜也は抵抗は空しく、母とジークリンデに脇を掴まれて自分の部屋へ連行された。
竜也の部屋は本棚、クローゼット、ベッド、ノートPCが置かれた机が配置
された六畳間だ。
「ああ、たっちゃんの臭いがする~♪」
ジークリンデは早速、竜也のベッドにダイブした。
「あらあら、お母さんもお父さんと頑張らないと♪」
「お義母様、家は妹が三人出来ました♪」
「あら、じゃあ家はは弟が出来ればバランスが良いわね♪」
「いや、二人共制服から着替えるから出てってよ!」
竜也は泣いて、母とジークリンデを追い出した。
母の姫子は、後は二人でと去っていた。
「で、たっちゃんの部屋にやって来ました♪」
「ああ、大した部屋じゃないがな」
「本棚に飾ってるのはタイヨウザーのフィギュアだね♪」
本棚に飾ってある赤いヒーローのフィギュアをジークリンデが指さす。
「ああ♪ 太陽のパワー、タイヨウザーッ♪ って、やっちまった」
竜也が立ち上がり、掌を高く突き上げるポーズを取って恥ずかしがる。
「良いじゃない、そういうノリの所も好き♪」
ジークリンデが竜也に見とれる。
「恥ずかしいな、そういやリンちゃんも明後日から学校一緒だよな?」
「うん、明後日から宜しく♪」
笑い合う竜也とジークリンデ、竜也はこれからの活に想いを馳せる。
「たっちゃん、竜騎士の力って興味ある?」
そんな中、ジークリンデが微笑みながら竜也に尋ねて来る。
「あるけど、ゲームみたいにジャンプする奴?」
「私との約束を果たしてくれるなら、詳しく教えてあげる♪」
「結婚はしたいけどまだ入籍には年齢が足りないし、費用も足りないぜ?」
竜也は竜也なりにジークリンデとの事を考えていた。
「それはこれから二人で稼げば良いじゃない、竜騎士になれば稼げるよ♪」
「え、それってマジなの? ヤバい仕事じゃないよな?」
稼げると聞いて、興味と同時に嫌な予感が竜也に沸いた。
「大丈夫よ、私の家はお父さんがお母さんの竜騎士をしてるんだよ♪」
「あの紳士的なおじさんと、明るいおばさんからは想像がつかないな」
「あははは♪ まあ、ともかく私と結婚する=竜騎士になるって事だから」
「そっか、そう言う家業的なのなら断れねえな」
ジークリンデと結婚を考えて付き合うなら避けられないかと受け入れる竜也。
「じゃあ、竜騎士になるにはドラゴンである私と血の契約をしてくれる?」
ジークリンデが真剣な顔で竜也を見つめる。
「わかった、やるぜ!」
竜也はジークリンデを信用して、彼女の言葉に同意する。
そして竜也は、ジークリンデと結ばれた。
一緒に日曜の朝を迎えた二人。
翌朝の岸野家の朝食は、お赤飯だった。
「竜也、リンちゃんも式はまだだがおめでとう」
竜也の父、
子供に好かれそうな爽やかな印象の、イケメンお父さんだ。
「子供達の成長って早いわね♪」
「俺達も二人目が欲しいな、姫ちゃん♪」
「息子達に負けてられないもんね、私の王子様♪」
「たっちゃん、私達もお二人を見習って行きましょう♪」
「こっ恥ずかしいわっ!」
両親のバカップルぶりと、ジークリンデと結ばれた時の事を想い出して竜也は赤面していた。
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