デレデロ
バブみ道日丿宮組
お題:おいでよドロドロ 制限時間:15分
デレデロ
「通信速度が1Mもでないんだが」
「そんなこと私に言われても困るんだけど?」
「大体インターネット使う人にいうべきことだと思ったんだ」
「私が使うときは100M出てるよ」
「それはやっぱり深夜だから?」
「さぁ? 詳しいことは知らないけれど、団地ごとに回線が共有されててそれで重なると遅くなるらしいよ。特にゴールデンタイムとか、大勢が帰宅しはじめた20-22時とか」
「だるいなぁ……なんとかならないの?」
「個別で回線繋いでもらうしかないね。高速回線なんかはそうしてもらえるけれど、工事が完了するまでに時間かかるし、2年契約とかめんどくさい契約が必要になるのがほとんだかな」
「なんとかならない?」
「お兄ちゃんのためになんとかしないこともないけれど、私には無理かなぁ。お金があっても、技術がない。勝手に工事するわけにも行かないし。いや……感電する可能性のが高いかな」
「危険なことはしてもらいたくないから、やっぱいいかな」
「でも、回線速度は遅いままだよ」
「あれだったら、電話回線でテザリングするよ」
「それはそれで電話の使用制限にかかっちゃうよ」
「どうせ電話するのは、お前だけだし……」
「悲しいこと言わないでよ。まぁ、私が家に引きこもれてるのはお兄ちゃんのおかげでもあるから、感謝してる」
「もしそう思うなら少しでも外に出てほしいかな」
「家で稼げてるから外に出る必要ない。必要なものは全部通販で買える」
「便利な世の中になったものだな」
「だから、お兄ちゃんは家を守る人になってて欲しいの」
「土日以外ほとんど残業で家にはいないけどな」
「それでもここがお兄ちゃんの家であることには変わらないから」
「そしてお前の家でもある」
「家のためにお金使ってないからほんとうにそれでいいのかはわからないけど」
「使う予定がない金が貯まってくばかりだから気にしなくていい。それだけの仕事はこなしてるし。それにお前の雑貨費を払ってるわけでもないしな。払ってたとしたらとてもじゃないがお金が足りない」
「そうだね。お兄ちゃんの給料じゃ、私が構築してるサーバーや、計算室なんてものの維持費ができないものね」
「回線速度遅いのによくやってるよね」
「そこは個別回線繋いでるから」
「……なんで家もそうしてくれなかったの」
「契約が違うからだよ。家はお兄ちゃん名義、サーバー、計算室は私名義」
「そんな特殊な契約があってたまるか」
「あるんだからしかたないよ。お兄ちゃんはドロドロ、デレデロしてる回線で頑張って」
「……まぁ家にいる時間少ないからいいけどさ」
「じゃぁおやすみなさい。私はこれからレイドボス、ソロでまわさないといけないから」
「あぁ。あまり無茶はしないようにな」
「うん、わかってる」
デレデロ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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