コレクション

バブみ道日丿宮組

お題:君の車 制限時間:15分


コレクション

「君のコレクションはだいぶお金になったよ」

「人のものを勝手に売りさばくのはどうかと思うよ」

「同居人なのだから、当たり前だろう? 維持費が尋常にないくらいかかってたぞ」

「乗らないで飾っておくだけだから問題ないだろう!」

「そうはいっても、駐車場というのはコストがかかるものだ。毎月4万もかかるのは正気の沙汰でないと思う」

「勝手に売る方が正気の沙汰でないと思うよ」

「いいじゃないか。お金に変わって、私たちの結婚資金にするのだから」

「それはそれで別に用意してたのだけど……」

「初耳だ。ちなみにどれくらい」

「100万とちょっとくらいかな。結婚指輪も用意してある」

「なんとーー車の10分の1だ。結婚指輪は初耳だな。指の採寸は正しいのかい?」

「それは測ったから……って、やっぱあの車プレミアがついてたんじゃないか」

「中古車販売の店員がやけに嬉しそうだったのは覚えてるよ」

「価値を知らない人が売りにきたらそうなるね。買取値段を多少安くできるだろうし」

「値段はある程度調べてあったよ。まぁ3割ほど値段は低かったが」

「低かったんなら、諦めておいてよ!」

「売れるときに売っておかなければ、いつまでたってもお金がかかるじゃないか。これから、子供だって産まれるんだ。お金はあったほうが損をしない。たくさんあったほうがいい」

「俺は損してる!」

「ミニカーとかそういう部屋に置いておけるのは手をつける気がないから安心したまえ」

「それまでされたら、さすがに別れ話をしようと思う」

「そんなこといっても君は私から離れられないだろうけどね」

「そう……だけどさ、だけどさ!」

「なーに、3Dモデルは作ってある。いつでもVRで体験できるぞ」

「ほんと……才能だけはピカイチだよね。性格に難ありだけど」

「もっと褒めよ。褒められたのならば、次は触覚と、聴覚の再現を目指そうと思う」

「触ったことないし、音を聞いたわけでもないよね?」

「いざとなったら、現物を見ればいい」

「それって結局現物ないと意味がないんじゃ……?」

「細かいことは気にするな。ネットで情報を集めるだけでも変わるだろう。それに触覚が特徴的な車というのもないであろう。おおよそカーショップで触れてみればだいたいのイメージが湧くはずだ」

「まぁ……そうかもしれない」

「そういじけるな。今日は君が好きなコスチュームで特殊プレイも許そう。いってみるがいい」

「バニーガールで素股かな」

「なるほど。まだそれは持ってなかったな。買いに行くとしよう。ほら、いくぞ」

「コスチュームも維持費というか保管費かかるよね?」

「君が適度に使用するのだから、無駄じゃないさ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

コレクション バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る