とある錬金術師
バブみ道日丿宮組
お題:有名な錬金術 制限時間:15分
とある錬金術師
「庶民のなんでも屋っていう評判だけど、いいの?」
「いいも悪いもまずは噂ぐらいはないとやってけないよ。有名になるにしてもまずはこつこつとやってかないとね」
「ふーん、そういうものなのかな? 今は猫探しだっけ?」
「そうそう。このシャネルの可愛いこ。服着てるしわかりやすいと思う」
「もはや錬金術関係ないよね?」
「ふふーん。そうじゃないんだな、これがあるのよ」
「なにその棒?」
「いわゆる猫レーダー。探してる猫を完全にピックアップして見つけることができたなら、100%の価値があったんだけど、そこまでは無理だったなぁ」
「猫に反応するんだ。でも、猫って結構野良いない?」
「そうだね。結構いるよ。でも、オスメス判断、毛並み、匂いなどのオプションをつけて検索すれば……もれなく省かれてくんだ」
「そのオプション効果をもっとすごくすれば、特定でいけるんじゃないの?」
「DNAぐらいまでいければいいんだけどね。さすがにそれは難しいよ。DNAが同じ猫がいるかもしれないし」
「……普通考えたらいないよね? 服着ててシャネルっぽいなら確定じゃん」
「服着てるシャネルの猫って結構いるんだよね。この街の特徴っていうのかな? 動物に服を着せて、毛並みをよくしてる」
「そうね。はじめてきたとき、驚いたのは間違いないよ」
「そうでしょ? だから、探すのも一苦労ってこと」
「そうだとしても見つけられるのがあなたのいいところよね。全くなにしてるのかよくわからないけれど」
「有名な錬金術師は魔法使いのようなことをするからね」
「あなたはまだ初心者ってところじゃない?」
「……駆け出しかな」
「猫探しじゃなくて、もっと道具を作ったり、食べ物を作ったり、良さそうなことをしたいね」
「私のことはいいとしてさ、そっちはどうなの? 仕事見つかりそう?」
「大手企業の受付が募集してて、そこの選考が進んだんだよね」
「いいじゃない」
「決まるまではあなたの厄介になるからよろしくね」
「わかってるって。シェアハウスなんだから、できる限り協力したいものね」
「どちらが多く稼ぐか、勝負したいものだね」
「はは、そういうのは仕事が決まってからいいなよ」
「あなたも無職みたいなものじゃない」
「仕事は絶えずきてるから、収入はあるよ。家賃払えてるよ」
「そうだった。そうだった。ごめんね。あまり部屋に戻ってこなくて」
「いいよ。仕事探しは時間がかかるってママがいってたし」
「大物になったらいつか故郷戻る?」
「どうして?」
「なんとなくかな」
「大物になったら余計に依頼がくるようになるし、あまり帰れないようになるかなぁ」
「そうだよね。こっちも決まれば、この街に永住してもいいかもしれない」
「おっきな部屋借りたいね」
「買わないんだ」
「夢は大きすぎてもいけないしね」
「あはは、そうかも」
とある錬金術師 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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