バブみ道日丿宮組

お題:最弱の壁 制限時間:15分


「あれはなーに」

「城壁だよ」

「かーべ? でも、ペットボトルぐらいの大きさしかないよ?」

「昔はすっごい壁だったんだ。今は邪魔だからって解体されたの」

「ふーん。じゃぁこれは残りみたいなもの?」

「解体した一部を展示用として置いてるんだ。ほら、ここに説明文あるでしょ。読めるかな?」

「は? いつまで子ども対応してればいいんだよ!」

「罰ゲームなんだから、ちゃんとしてよ。まぁ、普段のギャル口調も嫌いじゃないけど、容姿にあってないよね。小さい僕っ娘って感じ」

「ちょっとそれは聞き捨てならないんですけど」

「通販で胸が大きくなるのとか、バストアップ運動とかしてるの知ってるよ。まぁ、おばさんに聞いただけなんだけど」

「はぁ? マジありえないんですけど。個人情報ただ漏れじゃない」

「家族だからね。ちょっとのことで個人情報はバレるよ。君用の衣装とか道具買ってるのがさ、バレて家族会議起きたんだよね」

「それは知らないし。ってか、コスプレばっかさせんなし、あと道具使うのやめろし」

「身体は反応しちゃってるからいいものって思ってたんだけどなぁ」

「条件反射だし、心は嫌がってるから」

「いつも着てくれるじゃん」

「あんたが情けない顔して見つめてくるからしかたなくしてるんだからね」

「そういうことにしておこう。それでこの城壁なんだけど、一部が販売してるんだよね」

「ただの石じゃん。いらない」

「戦争のときも防いでるからね。焦げてるのとか高いんだ」

「そんなんバーナーで焼けばいいじゃない。焼石ってやつ」

「ロマンないなぁ。こういうのは記念ってのと特別っていうので、レアリティがあがるんだ」

「ふーん。あたしはダイアモンドやサファイアみたいな宝石のがいい」

「似合わないよね。やっぱロリかショタの服が……痛い痛い」

「今日だって、この服着るの恥ずかしんだから」

「幼児用のがすっぽりと着れるのがいけないんだと思う。そのせいで周りからは親子のように思われてるよ。彼氏彼女の恋人なのにねぇ」

「だったら、違う服用意しなさいよ!」

「自分の服をちゃんと朝用意できるようになってから言ってほしいな」

「せ、制服なら着れてるから!」

「それは用意されてる服と大差ないからさ。とりあえず、次の場所行こうか。だんだんと僕たち以外の修学旅行生が増えてきたし」

「よりいっそう、親子に見えるって? だまらっしゃい」

「君の壁も弱いよね。すぐ崩落しちゃう」

「し、知らない」

「待ってよ。先行っても道わからないでしょ」

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バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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