レアな血
バブみ道日丿宮組
お題:あいつの血液 制限時間:15分
レアな血
「ねぇねぇ、ストックない?」
「あいつの血か? 最近きてないからな。ほとんど空だよ。あっ、今ちょうど空になった」
「絶品なのにどうして提供しないの。供給需要を叶えてよ。お医者さんでしょ」
「献血は個人の自由だからね。義務というのはない。提供したくなったらするで、なかったらないだよ」
「むー、なんとかいってくれない? 友だちなんだよね」
「友だちであっても、飲むために血液を提供してくれないかってのはあれかなぁ。だいたい飲み物にする人間なんてごく一部だし、特定の誰かの血を欲するものじゃない。人が提供してくれたA、B、AB、Oとタイプがわかれたものを入れるわけだしね」
「じゃぁ、直接吸ってくる」
「それは退治される自体が発生するから危険でしょ」
「だって、美味しいんだもの」
「わからないでもない。銀髪、蒼眼なんてそれだけでひと目を引く格好をしてて、その血が違うっていうのは理解できる」
「飲んでみたの?」
「飲む習慣はないよ。僕ら人間は血を飲まない種族なんだ」
「私たちの種族だって、飲まない人はいるよ」
「ほら赤目抑えて、抑えて。ここには僕しかいないけれど、万が一ということもある」
「発見されたら、隔離だものね。そういう意味じゃ彼女が隔離されないのは不思議」
「別にこれといって異常があるわけじゃないからね。見た目があれで、血があれなだけで」
「実験サンプルとしては十分なんじゃない」
「血があれなのは、飲む人にとってで他の人には同じ血液型でしかない。あいつの血は僕と同じ血液でできてるからね」
「うわぁ……私のものだから手を出さないでアピール?」
「違うわ。まぁ……違くないかもしれないけど」
「ねぇねぇ、体液は美味しい? 今度少し摂取してきてくれない」
「それは難しんじゃないかな。嫌がるだろうし」
「なら、キスしちゃう」
「避けられて、ワンパンもらう未来が見えるよ」
「運動神経いいものね。羨ましい限り」
「とりあえず、このパックね。提供できる限りで君が好きそうな味わいがあるのは」
「ありがとう。お腹すいてたんだ」
「あとはこの袋に入ってるから、家で飲むんだよ。くれぐれも外で飲もうとしないこと」
「太陽の下で飲むのが一番気持ちいいんだけどなぁ。バレちゃ困るんだろうし、助言には従うよ。じゃぁ、また来週くるね。今度はちゃんとストックしておいてね」
レアな血 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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