贖罪

バブみ道日丿宮組

お題:せつない罪 制限時間:15分

贖罪

 予定というのは、残酷な世界だと思う。

 僕はなにもないはずの予定を、今日は予定があるように偽った。

 結果としてうまれたのは、友人の死という抗えない運命だった。

 子どもの頃……それも小学校の頃だから、人が死ぬということがあまり実感できなかった。しかしながら、それは成長するにつれて変化し、罪の意識をもたせた。


「ーー今日遊ばない?」


 なぜ、あの時自分は断ってしまったのか。

 なぜ……自分はそうしてしまったのか。

 なぜ、なぜ……なぜ。

 苦しい。

 毎日が苦しい。

 代われるなら代わってあげたい。

 でも、あのこはもしかしたら生きて欲しいと言ってくれるかもしれない。いや……なんでお前が生きてるんだと罵倒するかもしれない。

 答えはでない。

 もうあのこはここにはいない。

 事故死ということになってるが、間接的に僕が殺したようなものだ。

 一緒に遊んでいれば、死ぬことはなかった。

 それを親に話すと、そうなる運命だった。気にしないでいいと優しい言葉をかけてくれる。

 当たり前だ。

 お前が悪いんだという肉親がどこにいるだろうか。

 友だちの代わりに子どもが死んで喜ぶ親がどこにいるだろうか。

 少なくとも僕の親は違った。

 そう精神を保たせてはいるが、やはり心は満たされない。

 満たされていいのかさえ、わからない。

 これはきっと誰かに救われるなんてことはないと思う。ずっと死ぬまで抱えてく問題なんだ。

 もし死んだとしても答えはきっともらえないだろう。

 僕は地獄にいく。

 あのこがいる天国にはいけない。

 苦しみの中で、苦しむことをこれからも僕はしてくだろう。

 それがあのこへの贖罪になるかはわからない。

 僕が苦しんだところで、あのこは帰ってこない。

 僕が死んだところで、あのこは戻ってこない。

 

 何も答えは得ないんだ。

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贖罪 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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