わたしと犯人

バブみ道日丿宮組

お題:犯人は関係 制限時間:15分


わたしと犯人

「そういえば、知ってる。空が青いのは海が青いからなんだって」

「……そうなのか」

「学校でよく心霊現象が起こるのは、隣にお寺があるから」

「……そうか」

「プールがないのは、昔事故が起こったからというのと、学生の水着姿を覗きに来る人が多いからみたい。女子校だものね。気になるといえば気になっちゃうわよね?」

「……そういうものかな」

「あなたもわざわざ制服姿のわたしを捕まえたのだから、そういう気があったんじゃないの?」

「性的なものはないといえば、嘘になる。が、まずは身代金だ」

「そう。なら、安心して囚われのお姫様を演じることにするわ」

「安心するのはよくないだろう。誘拐されたんだぞ」

「わかってるわ。でも、こういうときにしか感じられない気持ちがあるじゃない」

「……静かにしてろ。口を封じられたくなければな」

「そういって、あなたはもう何時間も何もしないじゃない。手錠してるくらいでこの部屋のセキュリティはがさつ。窓から飛び降りれば、すぐに自由に」

「あぁ、天国に行くだろうな」

「そうね。地面がかなり遠くに見えるわ。なら、玄関から普通にでればいい」

「その格好で出られるならな」

「ローションまみれの格好なだけで逃げないということはないわ。たとえそれが全裸であっても、助けを求めたいのであれば、大声を発しながら大通りを駆け巡るものだわ」

「……そんな奇人だったか」

「違うわ。あなたが知ってるわたしは優等生。誰にでも分け隔てることなく接する生徒」

「……あぁ」

「そして、あなたはそんな学校の警備員」

「そのおかげでセキュリティの穴は全て理解してる」

「盗撮ポイントなんかも知ってそうね」

「……あぁ。警備なんてつまらないものをしてる間にそういったもので時間を過ごしてる仲間を観察してる」

「あなたはしなかったの」

「俺はお金以外興味がないんだ」

「そんなあっても夢はないわ」

「そういうのは持ってるやつだけがいうんだ」

「だとしても、あなたはだいぶ恵まれてる方じゃないかしら? 難問っていう問題がある試験をパスして学校に入ったのだもの」

「……そうだな」

「こんなことしなくても、わたしのもとで働けばいいわ」

「……報酬は?」

「身代金の倍は出すわ。まだ連絡してないんでしょ? 今からでもまだ間に合うわ」

「……少し考えさせてくれ」

「わっ!? これはタオルと私服?」

「そのままじゃめんどそうだからな」

「あら、あなたがローショントラップなんてものをしかけたからこうなってるのよ」

「……そうかもしれないな。ちょっと外に出てくる」

「それでしたら、エナジードリンクをついでに買ってきてくれる」

「……覚えてたらな」

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わたしと犯人 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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