なにはそれとなく

お題：信用のない成功 制限時間：15分

なにはそれとなく

「地震を自分で起こせるとしたら何する？」

「いや、普通に迷惑だしやらない」

「つまらない。嫌いな国とか地区に定期的に地震という恐怖を植え付けることができるのに。ほら、やりたくなったでしょ」

「それってただの嫌がらせだよね？」

「嫌いな相手なんだからね。局地的に出せるなら、その人の家とか潰したい。歩くたびに落とし穴に落としてやりたい」

「そういうのはおおっぴらにいうものじゃないよ。ほら、ここカフェテラス」

「言いたいことがいえない場所なんて必要なくない？」

「じゃぁ、ここで君のスリーサイズやら、今日着てる下着の色を話たりするのもいいんだよね」

「それはダメ。わたしが嫌だから」

「いや、いや……やってること同じになるからね？」

「地震が起こせるのと、下着の色とかがわかるのは致命的な欠陥がある」

「というと？」

「個人かどうか。わたしが赤面するかどうか」

「うん……？　さっきと言ってること変わらないよね？」

「わたしに関わることは全て禁止だから。彼女だからって、簡単にバラさないでよね。まぁ、こっちだってわかってるからバラせばいいのだけど」

「未だに子供用の下着をつけてるのが嫌ならちゃんとしたのを買えばいいのに」

「……かわいいのがないもん」

「ないからって、地震を起こさないでよね」

「これは苛立ちっていう感情だもの」

「君が苛立つたびに地震が起こされるのってすごく嫌な世界だよね」

「起こせてないんだからいいじゃない。起こせたらいいなって話なだけで」

「そういうものなのかなぁ」

「いいわ。この話は終わり。今日は答案用紙を回収しにいく話をしたかったのよ」

「いい加減カンニング行為はやめたほうがいいと思うんだよね」

「今までそれで成功してきてるんだからいいじゃない」

「いずれバレると思うなぁ。まぁ適度に点数を減らしてるようだけど……。だいたい回答が覚えられるのにどうしてそういう系の科目で点数が取れないのか。実はわかっててやってる？」

「ううん、全然勉強はわからないよ。カンニングなしだったら、全部0点だと思う。だから、盗まなきゃいけない」

「まぁ……恋人が罵倒されたりするのを見るのは嫌だから協力はするけどね」

「セキュリティガバガバなんだから、何も問題はない」

「一番信頼おけないのは学校側かもしれないかもね」

「あなたも答案で予習してるんだから、いいっこなしよ」

「……そうだね。見ちゃってるんだよね」

「このまま大学生活までいきたいな」

「さすがに大学は成功しないと思うよ」

「……やっぱそうだよね」