サルカニ合戦 神様のお告げ編 その参

むかし、むかし、あるところにカニがおりました。

ある夜、カニの夢に出てきた神様がこう言いました。

『明日、おにぎりを持って昔話村に行きなさい。 

サルに出会うでしょう。

サルがタネとおにぎりを交換してくれ。と言ってきます。

交換して、そのタネを庭に植えなさい。

水をかけながら、「ハサミで切るぞ。」と脅せばすぐに実がなるでしょう。』


『わかりましたか?』


『むにゃ。。。はい。。。むむにゃ。。。。』


『困ったことがあったら、臼とハチと栗に相談しなさい。解決するはずです。』


『。。。はい。。。むむにゃ。。。。』



翌朝、カニは神様のお告げの通りおにぎりを持って昔話村に出かけました。

ところが、いつまでたってもサルに会えません。

おかしいな。

神様のお告げ通りのはずだけど・・・?


夕闇が迫っています。

一日中歩いていたのでおなかもペコペコです。

おにぎりを持っていますが、

サルが持っているタネと交換しなければならないので食べるわけにはいきません。

カニは途方に暮れてしまいました。


一方、サルは高い高い木の上から カニの様子をこっそり見ていました。

そして、『カニさん、早く帰ってくれよ。』

『木の上にずっといるのも疲れちゃったよ。』

そんな事を口にしました。


実はサルの夢にもお告げがあったのです。

カニと会っておにぎりとタネを交換するように神様に言われていました。

実った果実を独り占めしようとすると、カニの友達の臼、ハチ、栗にいじめられますよ。と、忠告まで受けていました。


ところがサルはあまり記憶力がよくなかったので

お告げの一部しか覚えてなかったのです。

『明日、カニに会うと、臼、ハチ、栗にいじめられる。』


サルはカニに会わないよう避けていたのです。

そんなわけで二人は会えませんでした。

おしまい。

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