1章 お試しで喚ばれた聖女の災難
①
(……う、気持ち悪い……)
それでもなんとか身体を起こして
高窓がある
(ここは、……ん? なんの
何かが燃えるような
たぶん、どこからか風にでも乗ってきたのだろう。
それよりも――
(教会みたいなところだけど、ここはどこ?)
「……本当に、現れただと……!?」
声がした方を見ると、一人の青年がたたずんでいた。
(……ああ、夢だこれ)
その
こちらに向いた
(うーん、最近読んだ作品の中にこんな美形キャラいたかな……?)
ミコはファンタジーものの小説や
すぐには
「―― 私はアンセルム・ヴィ・アルビレイト。そなたの名前は?」
「え、と、
(夢の中で名乗るのって、変な感じだなあ……あれ? これが夢だとするとわたし、もしかして公園でうたた
それはちょっと、とミコは急いで
…………痛いだけで、なんの変化もない。
抓るだけでは
これで目が覚める―― ことは一向になくて。寒くもないのに背筋がぞっとする。
「ミコ・フクマル
「いっ!?」
不安に
「あのっ、そうに
「ここはリーキタス大陸を成す一国、アルビレイト王国の王宮だ。王太子である私は大陸の地理についてほぼ把握しているが、ニホンもジャパンも聞いたことがない」
「!?」
国名はミコが知らないだけかもしれないが、大陸名くらいはさすがに知っている。
―― リーキタス大陸なんて、地球には存在しないはず。
(…………これってまさか。……いやいや、そんなことあるわけがない)
ミコの理性が、
「
勢いよく
「……殿下、そちらのお
「ミコ・フクマル殿だ。どうやら
「召喚!? ちょ、殿下、きちんと説明をしてくださいっ!」
(ショウカン? ……しょうかん? …………召喚?)
召喚――――っ!?
ミコは胸中で
(しょ、召喚って、……
アンセルムが放った
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