第2話 別の天使登場
目を開けると目の前には女性が立っていた。
そして、凄く喜んでいて、隣にも女性が居てその人と抱き合いながら何かを話していた。
『うん? なんて言っているんだ?』
そして、その女性がぼくの元へ来て……抱きしめた!!
『ええええええええええええええ!!!』
そして、ぼくを持ち上げた。
『持ち上げた!? 女性の顔が下に見える? どういう事? 確かに痩せてるけど流石にこの女性では持ち上げられないと思うけど……』
相変わらずぼくを持ち上げたら、抱きしめたりしている。
『めっちゃ喜んでるなこの人、あと……。なんと豊満な……』
幸せとはこういう事を言うのだろうか。
この豊満な……に包まれて……。
『幸せだ〜! よし、こうなったら少しくらい触っ……ても……。女性は他の人と話してるからこっちには気づいていない。やるなら今だ』
そんな事を考えながら、ぼくは手を花園へと伸ばした……。
『え?』
伸ばした手を見ると、明らかに人間の手ではなかったのだ。
毛むくじゃらだけど、モコモコで丸い手……あと爪が人間の爪じゃない。
『え? どうなってるの?』
ぼくは彼女から離れ自分の体を見れる範囲で見る。
『うん、明らかに人間じゃないね!! 何でヨォー!!』
女性が再度近づいてきて抱き上げ、何かを言っているが全くわからない。
『どうしたら良いのよ!』
そんな時だった《パン》と音が鳴ったかと思ったら世界が止まっていた。
『今度は何よ〜』
「あ〜あ〜、聞こえますか?」
「ひっ! 誰?」
「私は審問者のマリー、と言います」
「審問者? マリー?」
「誰?」
「あなたが死んだ後、小さい天使に会いませんでしたか?」
「天使……あぁ〜なんか、英語を話してた子ですか?」
「やっぱり……」
「やっぱり??」
「すいません、本来は私があなたを審問する予定だったのですよ」
「……審問って何ですか?」
「審問というのは、亡くなった方の次の行き先を決める事です。そして、それをする天使が審問者なのです」
「じゃあ何でぼくの、審問者? は英語を話してたんですか?」
「それは、あの子、ルミが間違って審問してしまいまして」
「……間違って!!」
「はい、すいません」
「ちなみにぼくはどこの何になったんですか? 人間ではないですよね?」
「……ええと、伝えにくいのですが……」
「うん?」
「あなたは、異世界にて召喚獣に転生しました」
「……………はい?」
「だから、召喚獣に……」
「いや、それは聞きましたけど、何でまた召喚獣なのですか?」
「おそらく、ルミが英語で聞いて貴方が肯定したからだと思います」
「……そんなこと……!! あ!」
「心当たりがおありで?」
「多分……ただ、何を言っているのか分からず適当に返事をしましたけど」
「多分その時ですね」
「え〜と、召喚獣でしたっけ?」
「はい、ルミに言わせれば最強の召喚獣だそうです」
「……はぁ〜!」
「本当に申し訳ありません」
「あ〜、はい!」
「そこで、ですね。私から何かプラスして恩恵を与えたいと思います」
「恩恵ですか? では人間に……」
「あ〜、それは出来ません。根底を変える事は出来ないんです」
「そうですか……」
「他に何かありませんか?」
「……では、
「わかりました、召喚獣はあまり話しませんけど致し方ありませんね」
「あとは………」
「わかりました。そうさせて頂きます」
「あと……」
「まだ何か?」
「女の子にモテたいです……」
「………善処します!!」
再び《パン》という音がし世界が動き始めた。
「おいで〜、私の召喚獣ちゃん」
「あっ! 聞こえた!」
「へっ?」
「あ、あの〜、ぼくは……」
「しゃ、しゃべったよこの子!」
「え〜? 召喚獣が、喋るわけないじゃない!」
近くにいた女性が近づいてきて2人で話している。
「でも、さっきちゃんと声が聞こえたって!」
近づいてきた女性がぼくの顔をマジマジと見る。
「可愛いクマの召喚獣ではあるけどさ、流石にしゃべらないでしょ」
「え? クマ!?」
「「うわぁ!!」」
『マズ!』思わず口に出してしまった。
2人は後ろや周りを見渡している。
「誰も周りには居ないわよね」
「やっぱりこの子なのよ」
「う〜ん!」
『やっぱり、マリーの言う通り召喚獣が話す事はないんだ』
「まぁ、とりあえず召喚魔法も上手くいった事だし一旦帰ろうか」
「そうだね」
「じゃあ帰ろうか」
そう言うと女性、おそらくぼくの召喚主はぼくを再度胸に抱き歩き始めたのだ。
『嬉しいけど……この後どうしよう……』
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